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冬の自宅トレをサポートする最新ガジェット●北風吹きすさぶ寒い季節は、ジムへ出かけるのもおっくうになりがち。そこで揃えておきたいのが、自宅トレーニングのモチベーションを高めるフィットネス系ガジェットだ。
トレーニングの成果が見えやすい「筋質点数」計測機能を搭載
体形はもちろん健康維持のためにも、毎日実践すべきなのが体重測定。体脂肪率や筋肉量なども一緒に計測できる体組成計を使えば、筋トレや運動の成果が数値で確認できるので、モチベーション維持にも役立つ。最近では2~3000円程度の体組成計も人気のようだが、モノにこだわる諸氏なら、多少高くても納得のいく製品を選びたいはずだ。
そこで気になるのが、1992年に世界初の体脂肪計(体組成計の前身)を発売した老舗ブランド、タニタの存在。最近の製品ラインナップでは、スマートフォン連携により詳細なログが残せるようになっているほか、筋トレのモチベーション維持に役立つ機能も搭載されたという。
今回は、本連載で数多くのフィットネス系ガジェットに触れてきた筆者が、新製品「インナースキャンデュアル RD-911」を実際に体験して得た感想をレポートしよう。

RD-911を含むRD-900シリーズ最大の特徴は、医療機器でも用いられている「デュアル周波数」計測技術を使い、筋肉を筋線維の状態まで分析し結果を数値化する、タニタ独自の「筋質点数」計測機能だろう。
筋肉の量を計測する体組成計は他社製品にもあるが、その質まで評価してくれるのは、世界初(タニタ調べ)とのこと。脂肪や水分などが少なく、筋線維が密になっているほど「質が高い」という判定基準になっている。

体組成計本体のディスプレイでも点数をチェックできるが、RD-911はスマートフォンとの連携機能も備えており、対応アプリ(ヘルスプラネット)を使えば、点数の推移をグラフなどさまざまな方法で確認することが可能だ。

実際に計測を数週間程度行って気付いたのは、筋肉量の数値に比べ筋質点数のほうが、よりビビッドに変動することだった。
一方、タニタの解説サイトでも言及されているように、筋質点数は筋肉量に比べトレーニングの成果を数値として確認しやすいという。つまり、モチベーション維持には最適というわけなのだ。
特に、これから本格的なトレーニングを始める予定がある人なら、進捗とともに筋質点数の高まりを数値で確かめることができるはず。この機能だけでも、購入を検討する価値があるのでは、と感じた次第だ。
老舗メーカーならではの精度とこだわり。デザイン性の高さも◎
その他の機能に関しても、体組成計メーカーの老舗ならではの技術や工夫が凝らされていた。例えばトレーニング関連でいえば体組成計としては珍しく、乗るだけで脈拍を測ることもできるようになっている。

平常時の脈拍をはかることにより、自動的に運動時の目標脈拍数が算出され、自分にあった運動量や強度の目安がわかるので、自宅トレ派の人には重宝することだろう。
細かい機能だが、設定画面に体組成計を使用する地域を指定する項目があることも興味深い。

なぜ地域の設定が必要なのかと調べてみれば、なんと日本国内でも地域によって重力差があるため、例えば東京ではかるよりも沖縄ではかった場合のほうが、体重が軽くなってしまうのだという。
誤差の範囲といえばそれまでなのだが、場合によっては100グラム以上の差が出てしまう場合もあるそう。
このほか、登録ユーザーによって本体のバックライトが変色したり、各数値の状態(良好か要注意か)を同じくライトの色で教えてくれたりと、遊び心を感じさせる機能が用意されているのも好印象。
多機能ということもあり、他の体組成計に比べ価格はやや高額ではあるものの、デザイン性にも優れているRD-911。

初めての体組成計選びの候補としてはもちろん、トレーニングを進めるうち、現在使っている体組成計に物足りなさを感じるようになった人なら、ぜひチェックしてほしいところだ。
[問い合わせ]
タニタ お客様サービス相談室
0570-099655
www.tanita.co.jp/product/g/_RD911BK/
石井敏郎=文
1970年横浜市生まれ。Windows95発売時よりテクニカルライター&編集者として活動。現在はITのほか、音楽やファッション、フィジカル系の記事執筆を行っている。
小島マサヒロ=写真
