スーツみたいで堅苦しい? ノンノン、テーラードジャケットはまさに魔法の1着だ。さっと羽織るだけで装いの品がアップ。
その実例を、銀座の名店「ザ ソブリンハウス」にて拝見。あくまで気軽に楽しく、ね。
清潔感のある印象に特化した「TJK×デニム」の模範解答
マジメのなかにある遊びがスタイルをこなれて見せます
「伝統的なグレンチェックのジャケットですが、実はうっすらとブルーの格子が。これが青みの強いデニムと合わせるときに利いてきます。ジャケットの色使いで清潔感と爽やかさを匂わせつつ、上下の細かい色合わせに気を配る。このちょっとしたテクニックが、ジャケットとデニムのスタイルをこなれて見せるポイントです。
インナーにはTシャツではなく、上品な印象のニットポロを選ぶのも重要。素足にローファーを履くことで程良いカジュアルさもキープさせました。インナーと靴の色を合わせれば、全体の統一感も生まれますよ」。

OTHER CHOICE
[左]インナーをクルーネックのハイゲージニットにするのもあり。首元をスッキリさせることで、より清潔感がUPする。
[右]少しエレガンスを求めるなら、ビット付きのローファーを。
無地の定番「ネイビーTJK」の汎用性

ツヤっぽさを極力抑えて気取らない“2次会”スタイルに
「ノータイで臨むような結婚式の2次会では、カジュアルさと華やかさのいい塩梅が求められます。かっちり見えすぎず、でも特別感は欲しい。守備範囲が広いネイビージャケットを軸に、相性の良い黒と茶を、インナーとスラックスに取り入れてみました。
一方で素材選びも大切で、光沢が強いものはトゥーマッチ。ジャケットの質感に合わせて、優しいウール製をチョイスしました。靴は表革のものを選びがちですが、それだと面白みに欠けるのでスエードのスリッポンに。あとはアクセントにバンダナを首に巻けばOK!」

格式高めの“観劇”シーンはモノトーン主体で攻略
「ジャズコンサートや歌舞伎鑑賞、そんな大人の観劇スタイルはジャケットにおまかせあれ。モノトーンでまとめた上下にネイビーの1着を羽織るだけで、誰でもカッチリ決まります。ネイビージャケットをブラックのパンツと合わせる場合に気をつけたいのは、暗すぎず青みのある1着を選んでメリハリをつけること。
また今回は、モノトーンに合わせて白×黒のチーフを。ピークとパフドを両方作り、嫌みのないドレス感を演出しました。さらに、ハズしとして存在感のあるブレスレットを合わせても休日らしくていいと思います」。
着回しアイテム

ウールリネンのナチュラルな素材感が、凛としたネイビーの表地に優しさを与える。光沢を抑えることで、よりカジュアルな見え方に。
柄の定番「チェックTJK」の汎用性

アンサンブル+TJKで“レストランデート”もお手の物
「想定したのは、ちょっと贅沢なフレンチディナー。シックな雰囲気に合わせて、まずは全体の色数を抑えましょう。そうすることで、細かい柄のジャケットがより上品に見えてくるはず。柄に柄を合わせるのも間違いではありませんが、難度が高いですしね。
このコーディネイトのポイントは、深い色みのネイビーニットをアンサンブルで使ったこと。色を統一することで散らかって見えず、スタイリングにまとまりが生まれます。また、席についてジャケットを脱いでも、ニットの重ね着によって砕けすぎないルックスとなります」。

目上の人に誘われた“ホームパーティ”はいつもの延長線上でも手を抜かず
「たとえ上司の家に招かれたとしても、ホームパーティでキメキメな格好はナンセンス。あくまで休日のリラックスした雰囲気を出しながら、実はちゃんと気を使っている。そのくらいがちょうどいいと思います。
となると、考え方はジャケットスタイルをドレスダウンさせる方向。白のニットとノンウォッシュのデニムを合わせて、肩肘張らないクリーンなスタイルにまとめました。『ちょっと飲み物買ってきて!』みたいな上司のリクエストにも即座に対応できるよう、足元は脱ぎ履きがしやすいスリッポンで仕上げています(笑)」。
着回しアイテム

相性のいいブラウンとネイビーで上品なマイクロチェックを形成。柄のパターンが小さいため、主張が控えめで着こなしやすい。
鈴木泰之=写真(静物) 比嘉研一郎、恩田拓治、志賀シュンスケ、鳥居健次郎=写真(取材) 増田海治郎、髙村将司、いくら直幸、増山直樹、菊地 亮=文 長谷川茂雄、今野 壘、大関祐詞=編集・文