オーシャンズに登場するたびに読者から賛辞の声が上がる、スタイリスト宮島尊弘さんの私服スタイル。
思わず「さすが!」と言わしめるその着こなしは、どんなルールからできているのだろうか?本人にたずねた、独自のロジック。
今日から、宮島カジュアル“ミヤカジ”!
オーシャンズ読者の支持率が高い
スタイリスト宮島尊弘さんの着こなしに学ぶ
’90年代半ばからスタイリストとして活動を始め、多くのミュージシャンや俳優たちのスタイリングを手掛けてきた宮島さん。彼らをスタイリングするときと同様、自身のスタイルにもブレないアティテュードを持っている。
宮島さんのスタイルの背景には英国文化やパンクがあり、細身のパンツ選びや、黒を基調としたコーディネイトが多い。その男らしいセルフスタイリングはいつの時代も大きくは変わらないのに、不思議といつ見ても“今っぽい”のだ。
9年前に都内から神奈川県・葉山へ移り住み、よりライフスタイルがアクティブになってきたそうだ。
「機能的な服が気になり出したり、サイジングをちょっと上げたりと、実は少しずつ変化をしています。わかりにくいとは思うけどね(笑)」。
街(東京)と自然(葉山)を行き来しながら、そのどちらでも映える宮島さんがたどりついた、カジュアルのマイ・ルールとは?
タウンスタイル
シャープでシックな見た目重視@東京

これまでより少しだけゆとりを持たせたパンツと、さりげなくハイスペックなアイテムを利かせた宮島さんの街の装い。「アイテムがカジュアルなぶん、色で引き締めるのが気分」とのこと。
Point
・「ウールのダッフルコートは、少しヨレた感じが好き」。長めの着丈は、マイブームであるタックインと好相性だ。
・「Tシャツだと少しだらしなく見えてしまうので」と、インナーに合わせたのはハイゲージのニット。
・動きやすいクライミングパンツは、タイトでもルーズでもない、絶妙なゆとりが決め手。
・今は革靴とはやや疎遠。

タウンな“ミヤカジ”に欠かせないモノ
[左]「ザ・ノース・フェイス」のジャケット
スノーボード用のシェルは10年選手。「もともとはバイクに乗るとき用にしていたんだけど、最近は街中でもよく着てます」。
[右上]「ノア」のニットキャップ
刺繍でロゴをあしらった、シンプルなニットキャップ。「このブランドは、小物だけでなく、服のテイストも好きでよく着ています」。
[右下]「サタデーズ ニューヨークシティ × エバーラスト」のグローブ
週に1、2回ジムに通う、キックボクシング時の必需品。「服が似合うために重要なのは、やっぱり体型だと思います」。
カントリースタイル
アクティブライフを支える機能性重視@葉山

「ストレッチが利いていて楽だし、風も雨も防いでくれるし最高すぎる」というザ・ノース・フェイスのパンツを筆頭に、上下ともにジャストよりワンサイズアップした宮島流アクティブスタイル。
Point
・やや浅めでツバが長めのキャップは、吸汗・速乾性があり、快適さ抜群。
・友人であるスタイリスト、熊谷隆志さんが手掛けるブランドのもの。背中にリフレクタープリント入りで、葉山の夜道では便利だそう。
・まだ寒さの残るうちはハイネックを多用。インナーはジャストサイズをチョイス。
・昨年末に購入して以来、ヘビロテ中。「太めのシルエットに目覚めるきっかけになった1本」。
・パンツにロゴが入るので、足元は主張を控えめに。「ホカ オネオネはボンダイより少し細身のクリフトン派です」。グリーンのカラーソックスでアクセントを。

カントリーな“ミヤカジ”に欠かせないモノ
[左]「ロットワイラー」のパーカ
自身が手掛けるブランドのパーカ。「サイズは少し大きめです。柔らかいし、裏起毛で暖かい。サーフィンと愛犬の散歩時には欠かせません」。
[右上]「サタデーズ ニューヨークシティ × ポーター」のバッグ
防水素材をラミネートし、止水ジップを配したボディバッグ。「バイクに乗るときも楽だし、海辺でも安心。財布と携帯を入れるのに最適です」。
[右下]「サタデーズ ニューヨークシティ」のカットソー
ボディはオレンジと赤の中間のようなトーンがお気に入り。「サーフ終わりは、短パンにロンTが好きなんです」。
みやじまたかひろ●1970年生まれ、埼玉県出身。文化服装学院を卒業後、レコードショップや古着店で働いたのちに渡英。帰国後にスタイリストとして活動を開始。人気アーティストや雑誌の仕事を多数請け負う。サーフィンやバイク、自転車、キックボクシング、ジムでのワークアウトなど、仕事の合間にさまざまな趣味に興じている。
鈴木泰之=写真(静物) 比嘉研一郎、恩田拓治、志賀シュンスケ、鳥居健次郎=写真(取材) 増田海治郎、髙村将司、いくら直幸、増山直樹、菊地 亮=文 長谷川茂雄、今野 壘、大関祐詞=編集・文