「オンライン飲み会という名の愉悦」とは……
飲み会に特化したオンラインサービス「たくのむ」。これを利用して、過去の記事の中で特に反響が大きかった看板娘と乾杯する企画である。
第11回にご登場いただくのは2019年12月に取材した壽美(ことみ)さん。コンビニと立ち飲みのいいとこ取りという最高な家業を手伝っている。
ちなみに、壽美さんはお酒が飲めないのでプロテインのココア味。そう、彼女はプロのキックボクサーなのだ。前回の取材時は名古屋で行われる「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN」の直前だったが、結果を知りたい。

「判定で勝ちましたが、反省点の多い試合でした。熱くなってやりたかったことが出し切れなかったんです。相手との距離を取って勝ちたかったのに、ひたすら前に突っ込んじゃいました」。
しかし、試合後は一転、柔和な表情に。

「全員チームの先輩で、セコンドとして入ってくれました。リングサイドから相手の様子を客観的に見ているので、『片腕を引いて構えろ』とか『蹴りが当たってるから続けようか』などのアドバイスを冷静に聞くのが大事ですね」。

壽美さんはとにかく友人や家族から愛されている。
ちなみに、店は5月末まで休業していたが6月1日から再開した。

「除菌用のアルコールを置いて、窓も開けたままの営業です。以前は閉店時間の22時を過ぎても飲み続けるお客さんがいらっしゃいましたが、今はきっちり閉めています」。
休業中は家族とスタッフ全員で3日間かけて大掃除をした。厨房や換気扇の内側など、ふだんあまり目に付かないところもピカピカになったという。

新メニューの開発にも余念がない。お父さんが持っているのは売れ筋のおつまみ、「紅天」(100円)。お客さんのリクエストで定番メニュー化した。蕎麦に入れて食べるスタイルも人気だそうだ。
こちらも新開発した「肉あんかけまぜそばorうどん」(480円)。つゆがなく、あんかけを麺に絡めて食べる。
「常連のお客様の中には、新商品を開発するときにアドバイスをくださる方もいます。去年の夏に出した期間限定の『冷やし担々うどん』では『これ、山椒の小瓶を置いてお好みでかけられるようにしたら?』と。その通り実行したら評判も上々でした」。
今年も出すかどうか検討中の「冷やし担々うどん」(500円)。さて、通っていたジムNEXET LEVEL渋谷の休業中は家の中でトレーニングし、近所をダッシュすることでファイターとしての体をキープした。
新たに購入したダンベル、バランスボール、防音マット。外でのダッシュは3分間全力で走った後に1分間休むというのを繰り返す。試合が3分3ラウンドだからだ。週に1度の体を休める日以外は、毎日5kmから10kmを走るというからすごい。
おうち時間が増えたことで、料理の腕前もメキメキ上がった。
体にやさしい朝の定番メニュー。「オートミールに豆乳を入れて1日寝かすと膨らむんです。そこに、ハチミツやフルーツをトッピングします。満腹感も得られるしオススメですよ」。
オートミールのガレットも自作した。「体にいいものを作るのが楽しくて。これはミキサーで粉状にしたオートミールにお水と卵を入れると生地が完成。焼いている最中にアボカドや卵とかの材料を入れてパタパタっと包みます。結構簡単でした」。
最近気に入っている“奇跡のプリン”。「ジムで仲良くしてくださっている方が代々木八幡にオープンした『プリンカフェ448』というお店で買えます。ローズとかほうじ茶とか、今まで食べたことがないプリンばかりで、しかもどの味もめっちゃ美味しい。今度の試合が終わったら全種類制覇したいです」。
自粛期間中は高校2年生の弟と毎日筋トレに励んだ。美容に関しては壽美さんより意識が高いそうで、買い物にもよく一緒に行く。服や靴もお揃いが多いほどの仲良しぶりだ。
もちろん、Tシャツもお揃い。さて次の試合は6月28日(日)に新宿FACEで開催される「Krush.113」。人数制限のため、家族ですらチケットは取れなかったが、AbemaTVの格闘チャンネルで生放送される。
「新しい私の成長した姿を見てほしい。基礎的な面も技術的な面もパワーアップできたかなと思います。相手は気持ちが強くて打ち合いにもくる強い選手。でも、絶対勝ちます!」。
もちろん、応援しますよ。
【取材協力】
酒 みさわ
住所:東京都渋谷区神泉町9-7
電話:03-3461-1427
https://twitter.com/kotomisawa47
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「オンライン飲み会という名の愉悦」とは……
これまで取材してきた109人の看板娘を振り返りながら、ふと考える。
石原たきび=取材・文