「趣味時計」とは……
今や時計は時間を知らせるためだけではなく、さまざまなシーンをサポートする多彩な機能を備えている。
特にマリンスポーツやレジャーにおいては、それぞれ特化した専用ツールとなり、腕に着けることで楽しさを倍増してくれるのだ。
今回紹介するのは海遊びに最適な時計。この3本のユニークな機能から、時計の新たな魅力や可能性に気付くはずだ。
for ダイバー
ファーブル・ルーバ/レイダー・バシィ120メモデプス
潜水中のダイバーが常に怠らないチェックポイントのひとつが水深だ。
ファーブル・ルーバの「バシィ」は、これを計る水深計(デプスゲージ)の機能を1968年に世界で初めて腕時計に搭載した。仕組みは、ケースバックの開口部からチャンバー内に水を取り込み、その水圧で合金幕が押し出され、これを機械式センサーが検知し水深表示へと変換する。
この革新的な機構を現代の技術でさらに磨きをかけた。

120mまで計ることのできる水深計を文字盤の外周に刻み、中央の青い針で表示する。深度の目盛りはスポーツダイバーの活動域である30mまでを明るいブルーで色分けし、とくに減圧停止時に重視される10mと5mを赤く表示するなど実用性を追求している。
また文字盤の3時位置には、潜水中の最大深度を記録するメモデプス機能を新たに追加し、4時位置のプッシュボタンでリセットする。浮上後のログブック記入もダイビングコンピュータに頼らずに済むのだ。
for ヨットマン
ユリス・ナルダン/マリーン レガッタ

いよいよ来年、第36回アメリカズカップがニュージーランドで開催される。アメリカズカップは1851年に始まり、世界最古のスポーツトロフィーのひとつとして知られる。
競技は定められた時間通りにスタート地点をいかに走り抜けるかが勝敗を分け、時計でもこうした独特なレガッタスタート専用の計測機能を備えるものが少なくない。

なかでも「マリーン レガッタ」はユニークなカウントダウン機能を搭載する。
さらに6時位置にはクロノグラフ用の時分の積算針を同軸に備え、高い視認性と機能を両立する。ヨット以外にも普段使いでも新しい魅力が発見できそうだ。
for サーファー
カシオ/Gショック G-LIDE GBX-100-1JF

圧倒的なタフネスを誇るGショックがハードなエクストリームスポーツと相性が良いことは言うまでもない。
サーフィンやスケートボード、スノーボードをコンセプトにした「エクストリーム」を前身に、さらに磨きをかけた世界統一ラインが「G-LIDE」だ。薄くコンパクトに仕上げたケースは、パドリング時などでも腕の動きを妨げず、よりフィット感を高めた。

新たにモバイルリンク機能を装備し、スマートフォンとの連携で、専用アプリに登録された世界の主要サーフポイント3300カ所の潮汐データや日の出/日の入時間がアップロードできる。
精悍な横型8角形フォルムの4隅と底部に操作ボタンを配置し、優れた操作性とともに、グラフィカルに表示されるデータはひと目で情報を把握できる。
またトレーニング計測機能を搭載し、ランニングの計測や記録もサポートする。サーフィンの実用性はもちろん、日常でもスタイリッシュに着けこなせるだろう。
「趣味時計」とは……
時計が趣味だというのは当たり前。
柴田 充=文
※本文中における素材の略称は以下のとおり。SS=ステンレススチール