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「痩せて健康になりたいなら、ランニングなどの有酸素運動がバツグンにいい」ということはわかっているものの、ツラさがハンパない……。

というように、有酸素運動はしたいけれど、自分には無理とあきらめていた人に朗報!今回はツラさ半減で有酸素運動効果が得られる、ラジオ体操を紹介する。

走らなくても痩せられる! 時短でも有酸素運動効果バツグンのラジオ体操
【教えてくれる人】新田幸一さん


高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。


「有酸素運動は長く」という考え方はもう古い

―有酸素運動の代表格といえばランニングやサイクリング。身体機能を高めるのはもちろん、ダイエット効果も抜群だし、運動負荷も低めなので、比較的習慣化しやすいはずなのに、結構ツラい。しかも時間もかかっちゃうから挫折する人も多いですよね。

新田 :有酸素運動の効果、特にダイエット効果を得るためには長時間走り続けなくてはならない、と思っている人が多いようです。でも、太り気味の人が長距離を走るっていうのがそもそも現実的じゃないですよね。

―実際、有酸素運動で体脂肪が燃え出すまでには20分くらいかかるって聞いたことがありますが、運動不足の人がいきなり20分も走るのはツラすぎます。

新田 : 20分走らないと体脂肪が燃えないっていうのは、ひと一昔前の話です。最近では、有酸素運動を開始した直後から体脂肪も燃焼されてエネルギーとして使われている、ということがわかってきています。

ですから室内でできる運動、それこそラジオ体操でも有酸素運動の効果を得ることができますよ。

―どうすればいいんですか?

新田 : ポイントは、「心拍数が120拍/分程度にまで上がるような動き」をすればいいってことなんです。

それを1日何回かに分けて行う。細切れ有酸素運動ですね。例えば、ダイナミックな動きを伴うラジオ体操を全力で行うと、心拍数が120拍/分なんてすぐに上がります。とくに運動習慣のない人はあっという間に上がると思います。

―ランニングは運動経験のない人が有酸素運動を行うと、体への負荷が大きいんじゃないかっていう不安もありますよね。

新田 : そうなんです。特に、新型コロナの影響でおこもり生活のツケを取り戻すために、ランニングを始めた人が多いようですが、今まで全く運動していなかった人がいきなりランニング行うのはおすすめできません。

体への負担が想像以上に大きい運動なので。今まで運動らしい運動をしてこなかった人が心拍数を急激に上げることは危険なんですよ。

―運動不足だからと体を動かすにも、ちょっと慎重になったほうがいいんですね。

新田 : そういうことです。そこでおすすめしたいのが今回のラジオ体操。

「両脚で跳ぶ運動」と「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」です。この2つのエクササイズを行うことで、安全かつラクに有酸素運動の効果を得ることができます。


細切れ有酸素運動が、心肺機能を強くする

―確かに全身を使った大きな動作って感じがします。これもダイナミックな動きを伴うラジオ体操ですか?

新田 : この体操をきっちりやることで、有酸素運動効果はもちろん、心拍数が上がることに体を徐々に慣らしていくことが狙いです。

特に「両脚で跳ぶ運動」。軽いジャンプと大きく開閉跳びするこの運動が、呼吸機能や循環機能の向上に効果的なんです。

【両脚で跳ぶ運動】

走らなくても痩せられる! 時短でも有酸素運動効果バツグンのラジオ体操
両腕と両脚を大きく広げながら1回ジャンプし、続けて「トン・トン」と軽く2回跳ぶ。この一連の動作を4回繰り返す。

―普通のペース(90~100bpm)で行うだけでも心拍数がすぐ上がりますね。

新田 : とはいえ時間はすごく短いので、長々と走るよりはずっとラクですよ。仕事などの合間にだってできますし。

これを1日何回か行うだけで有酸素運動効果を得ることができます。階段を上ってもハアハアしなくなるし、ランニングをしてもラクに長く走れるようになるはずです。

―続いて「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」。

これは、ラジオ体操第1にも出てきますね。

新田 :腕の振りに合わせてカカトを上げる全身運動なので、意外と運動強度は高いんです。また、呼吸にも意識を向けてください。できるだけ深い呼吸をして整えるようにしましょう。すると、体だけではなく、心もかなりスッキリするはずですよ。

【腕を振って脚を曲げ伸ばす運動】

走らなくても痩せられる! 時短でも有酸素運動効果バツグンのラジオ体操
腕を横に振りながら膝の曲げ伸ばしをする。腕の上げ下げに合わせて、を横にカカトも上げ下げするのがポイント。8回繰り返す。

●トレーニングの流れ
STEP1 ウォーミングアップ
90~100bpmの速さで「両脚で跳ぶ運動」+「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」を規定回数行う。

STEP2 スピードアップトレーニング
「両脚で跳ぶ運動」と「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」をそれぞれ30秒間全力で行う。

STEP3 クールダウン
90~100bpmの速さで「両脚で跳ぶ運動」+「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」を規定回数行う。

【スピードアップトレーニングの動画はこちら】

「ラジオ体操2.0」
誰しも子供の頃に、一度はやった記憶があるだろう「ラジオ体操」。そのルーツは戦前までさかのぼる。そして、馴染み深い現在のラジオ体操第1は1951年、第2は1952年に正式制定されたものだ。そんな“国民的体操”を子供や高齢者のための運動と思ってはいないだろうか? それは大きな間違い!ラジオ体操は体の構造を徹底的に研究して考案された「スキのない全身運動」なのだ。

これを極めれば、特別な筋トレやストレッチをせずとも体を進化させられる! 上に戻る

【取材協力】
ハイアルチ 吉祥寺スタジオ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18
電話番号:0422-22-7885
営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝)
http://high-alti.jp/
空間をまるごと低酸素状態にしたスタジオで行う「ハイアルチテュード(高地)トレーニング」を、気軽かつ、リーズナブルに体験できる日本初のハイアルチテュード専門スタジオ。専門トレーナー指導のもとでのトレーニングなので、安全に効率よく鍛えられる。都内では、吉祥寺のほかに、三軒茶屋、代々木上原にスタジオを構える。

走らなくても痩せられる! 時短でも有酸素運動効果バツグンのラジオ体操

実践してくれた人】松森 亮さん
千葉県船橋市出身。1977年生まれのオーシャンズ世代。市立船橋高校サッカー部時代は選手権全国優勝を経験。U-20日本代表選出され、1996年にジュビロ磐田とプロ契約。引退後はジュビロ磐田で2015シーズンまで広報や運営に携わる。2020年より高地トレーニングスタジオ『ハイアルチ』吉祥寺のGMを務める傍ら、並行して、女子サッカークラブのアドバイザーやモデル業も行うなど精力的に活動中。

楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真

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