——直すことでより長く着られるわけですからね。
今後、注目されるブランドについて
橋本 デザイナーとの相性も人それぞれあると思います。僕は身長が高くないので、ノンネイティブやオーラリー、エヌハリウッドなど、日本人デザイナーの作る服がフィットすることが多いです。もちろん自分に似合わなくてもいいなと思う服はあるので、そういう服は職業柄モデルに着せることで昇華しています(笑)。

種市 身長の話は、逆のコンプレックスがあるなぁ。ビームス入社当初、服がすごく似合う先輩がいて、パンツの裾幅などを細かく設定している緻密な着こなしに憧れましたね。背が大きすぎると、どうしても大味になってしまうから。
藤井 種さんみたいに、リック・オウエンスのサルエルパンツを着こなせないですからね、普通。

橋本 うらやましいですよ。身長がない分、緻密にせざるを得ないので。
——デザイナーの癖を消さないように、自分にフィットさせてお直しするのも、すごいこだわりですね。まさに愛着のなせる業。それだけ惚れ込める服ということですね。
藤井 コロナを経て、世の中のマインドも変わってきそうです。またシンプル志向が帰ってくるのでは。
——今はストリート全盛で、ロゴものや柄ものは多いですが、早くも落ち着きを見せ始めていますね。今後、風向きが変わっていきそう。
橋本 ノンネイティブのようなブレないブランドというのは、ますます存在感が高まりそう。僕がシルエットを直さない数少ないブランドでもあるし(笑)。

種市 その辺、藤井くんはバランス感覚がいいと思う。

恩田拓治=写真(取材) 竹内一将(STHU)、鈴木泰之=写真(静物) 増田海治郎、大西陽子、髙村将司、菊地 亮、秦 大輔、増山直樹=文 長谷川茂雄=編集・文