心身ともに健康であり、かつ豊かで輝かしい人生を送ることを目的とする“ウェルネス”。
そのライフスタイルに迫るべくカリフォルニア在住の“ウェル男”ことデイビッドに話を伺ったところ、なんと美容グッズは全て手作りとの答えが!その真相はいかに!?
プライベート・ヴィーガンシェフ&マッサージセラピスト
デイビッド・サイクス Age 37
1983年生まれ。
[リンパマッサージ]
保湿クリームや化粧水など、アフターコロナで加熱の一途をたどるメンズ用スキンケアアイテムの数々。しかしカリフォルニアの男たちは“内側”を最重要視しているようで、食事と水分によるケアこそ健康的な肌への近道と捉える向きが多い。リンパマッサージも、その延長。

「リンパをほぐすことで老廃物をしっかり流す。すると、血の流れも良くなるらしいんだ。むくみも取れて健康的な顔がキープできる」とデイビッドも効果を実感し、リンパマッサージをする際には自作のバームを使用する。

「レシピは残念ながら公開できないけれど、ミツロウをベースにシトラス系の香りをプラスしているんだ」とのこと。う~ん、気になる!

[ハンドメイド化粧水]

体に直接つけるものは、信頼できる原料を使ってなるべく自分で作る。ウェルネスの真髄にも関係する“ハンドメイド”のアイテムは、もはや珍しいものではない。
ビーチサイドに住むデイビッドは、オレンジやグレープフルーツの皮を2~3週間水に浸して作った化粧水をストックしている。
「皮脂の部分からオイルが出るから、グリセリンなどの保湿成分を入れなくてもしっとりする。
常に強い紫外線を受けながらも美肌をキープするフシギ、発見!
[ハンドメイド泥パック]

海好きなら共感してもらえるだろうが、潮風は気持ちがいい反面、やっかいなところもある。しかもカリフォルニアは日本より湿度が低く日差しが強い。だから顔も体も乾燥しやすいのだ。そんな理由で、顔だけでなく手や脚などにパックをするのがウェル男の流儀のようだ。
そこで注目を集めているのが、クレイを使った保湿用パックだ。クレイは吸着率が高いため肌に密着し、毛穴の汚れや古い角質などを根こそぎ除去してくれる。
そのうえで、豊富なミネラルのおかげで血流が良くなり、肌にハリや潤いを与えてくれる効果もあるそうだ。

デイビッドは火山灰を使ってホワイトクレイを手作りしている。
「ホワイトクレイの中でも粒子の細かい、インディアンクレイがお気に入り。洗浄力もマイルドで、乾燥肌や敏感肌にぴったり」とご満悦だ。なお、「ホワイトクレイのミネラルにはメラニン色素を沈静化させる作用があり、特に日焼け後におすすめ」とのアドバイスも。
また、クレイと水を混ぜて、スプーン1杯食べることで、腸内洗浄の効果もあるという。
[整髪料はもぎたてアロエ]

アロエの成分が火傷や日焼けに効果があることは日本でもよく知られるところだが、カリフォルニアではアロエはよりメジャーな存在。
ハーブを育てるような感覚で、サボテンなどと一緒に食用のアロエベラ(アロエの一種)を栽培する人が多いのだ。用途は多岐にわたり、食用やスキンケアのほか、ヘアパックを兼ねた整髪料としても活躍する。

「地肌に付けてマッサージして洗い流せば、頭皮洗浄&スケルプケアにもなる。2週間に1回行うだけで髪は驚くほどサラサラだよ」とデイビッドも太鼓判。
ところでこのアロエベラ、一枚の葉がかなり大きく、日本で多く流通するキダチアロエのおよそ2~3倍。ファーマーズマーケットほか、オーガニック系の商品を取り揃えるショップで入手可能だ。
宮崎良将、ジェームス・クロスニアック(Seven Bros. Pictures)、IBUKI(取材)=写真 水嶋和恵(La Plage)=ディレクション 高橋百々(Volition & Hope)=取材・文