バンだと車体が大き過ぎるし、セダンやクーペじゃ荷室が小さ過ぎる。でもスタイリッシュなデザインや走りの良さも超重要。

となりゃ正解は、ステーションワゴン。

セダンのリア部分を少し高くしたような、流線型のスタイルと走行性能、そして大概の荷物なら全然OKな3台のステーションワゴンを紹介しよう。

 


■毎日使い倒せる好バランス
メルセデス・ベンツ CLAシューティングブレーク

同社で最もコンパクトなAクラス。それをちょいスタイリッシュに仕立てたのがCLAクラスだ。そのワゴンモデルには「シューティングブレーク」という名が付けられている。

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CLAクラスはセダン(同社の呼称は4ドアクーペ)とこのワゴン(同シューティングブレーク)がラインナップされている。

よりたくさん荷物を載せたいならCやEクラスワゴンをどうぞと割り切ることで、CLAのワゴンは4ドア“クーペ”ワゴンらしい、リアにかけてスッキリとしたデザインに振り切れたというわけだ。

スマートに荷物を積載。この3台のステーションワゴンなら縦横無尽!
ラゲージ積載量は通常で505L、後席を倒すと1370L。通常では4ドアクーペの460Lよりは少し広い程度。バンパー下で足を振るだけでテールゲートが開閉する。

エンジン+トランスミッションは2Lディーゼルターボ+8速ATと2Lガソリンターボ+7速ATがあり、いずれも前輪駆動。

さらに最高出力421psを叩き出すAMG製2Lガソリンターボ+7速ATに4WDが組み合わされた45 S 4マチック+が用意されている。

「ハイ、メルセデス」でお馴染みの音声による各種操作が行えるほか、先進安全運転支援機能によって安全に、かつイージーに運転ができ、車が自動で並列も縦列駐車もやってくれる機能まで用意されている。

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インテリアはAクラスとほぼ同じ。車内照明色は64色から気分次第で選べる。

コンパクトサイズで多機能、荷室も日常使いには十分で、都会にも映えるスタイリッシュなデザイン。だから毎日の用事に使い倒したくなる、バランス◎なステーションワゴンだ。


■本場イギリスからの提案
ジャガー XFスポーツブレイク

英国王室御用達であり、ル・マン24時間レースやF1にも参戦していたイギリスの名門メーカー、ジャガーが手掛けるXFスポーツブレイクは、ラグジュアリーかつスポーティな一台だ。

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荷物の量に左右されずにボディをフラットに保つため、リアにはエアサスペンションが備わる。ルーフラックはもちろん、ラゲージに敷く専用防水シートや、専用ペットキャリーなどオプションも豊富。

ジャガー初のワゴンが登場したのは、当時の親会社フォードのモンデオをベースにしたXタイプ。

そのあと、先代XFにも設定され(日本未導入)、この現行型にも2017年に追加された。

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ラゲージ積載量は通常で565L、後席を倒すと1700L。

流麗さと重厚感を併せ持ったそのスタイルは、さすがシューティングブレークの本場イギリスと言うべきだろう。

シューティングブレークはもともと、狩猟を楽しみたいイギリスの貴族が、2ドアのクーペをベースに大きなラゲージの車を作らせたのが始まり。実際、1970~’90年代に活躍した同社のスポーツクーペXJ-Sを、カスタム会社が改造したシューティングブレークが何台か作られていた。

さすがに今どきは4ドアのほうが便利で、かつ安全性などを含め品質の担保もあり、メーカー自らワゴンを作ったというわけだ。

XFの場合、シューティングブレークを匂わす「スポーツブレーク」という名が添えられた。

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車内で最大8つのデバイスをWi-Fiに接続できたり、手を振るジェスチャーだけでサンルーフが開閉するなど、先進的な機能が用意されている。

ラインナップは2Lディーゼルのマイルドハイブリッドを搭載する4WDモデルと、2Lガソリンの後輪駆動車の2タイプ。いずれも8速ATが組みあわせる。

英国王室御用達の気品高いデザイン&質感を、かつての貴族のように泥まみれで使うのも面白そうだ。


■ワイド&ローな、フランス車らしい乗り心地
プジョー 508SW

メルセデス・ベンツのCクラスワゴンや、BMW3シリーズワゴンをはじめ、同クラスのライバルがたくさんいるなか、個性を放つのがプジョーの508SW。

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全幅はCクラスワゴンや3シリーズワゴンより広い1860mm、全高はCクラスワゴンや3シリーズワゴンより低い1420mm。

ライバルたちの中での差別化を図るため、同社はスタイル重視でワイド&ローなボディを選択。また窓枠のないドアにしたことで、サイドビューを断然スッキリとさせている。

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バンパー下で足を振るとテールゲートを開閉できる。ラゲージ容量は通常で530L、後席を倒すと1780L。

一方で全長をライバルたちより長くとり、低く伸びやかなルーフと、ライバルを上回るラゲージ容量を確保。

搭載されるエンジンは1.6Lガソリンターボと、2Lディーゼルターボの2機種があり、いずれも8速ATが組み合わされ、前輪駆動となる。

このフォルムから生まれる、プジョーらしいしなやかな乗り心地とスポーティなハンドリングが魅力のひとつだが、かつてライバルたちに大きく水をあけられていた先進安全運転支援機能も、現行型では一気に肩を並べるまでに進化し、長距離運転もラクにこなせる。

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スポーツカーのように小径なステアリングは、最近の同社のトレンド。中央のタッチスクリーンの下にはピアノのキーのようにスイッチが並ぶ。

フランス車らしい走りと荷室容量を両立したいなら、もってこいのステーションワゴンだ。

 

籠島康弘=文

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