「看板娘という名の愉悦」とは……

初夏の陽光が眩しい日。新橋駅からゆりかもめに乗って向かったのは竹芝駅。

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駅を出て歩くこと数分で、アトレ竹芝に到着。

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昨年8月に開業した大型商業施設だ。

シアター棟の1階にはコーヒーショップや自転車店が入っている。

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e-BIKEや電動自転車も扱う「ル・サイク アヴァン」。

そして、目指す「シャコウバ(SHAKOBA)」は1階の奥まった場所にあった。

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中を覗いてみたくなるエントランス。

ここはカフェ、バーのみならず、カラオケも歌える豪華なステージやレンタルルームも併せ持つコミュニティスペースだ(コロナ禍を受けてカラオケは現在休止中)。

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そのステージの上に看板娘を発見。

さっそくメニューを拝見。

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テーマは“昭和レトロ”だという。

本来は焼酎をハイサワーで割ったドリンクが飲めるが、今はノンアル。すなわち、ハイサワーのみで提供している。

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テイストは6種類。

では、「青リンゴ」をお願いします。


看板娘、登場

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「お待たせしました〜」。

満面の笑みを浮かべるのは、宮崎県小林市出身の美月さん(24歳)。フードのオススメはどれでしょう?

「人気なのは『太郎の愛する昭和3点セット』ですね」。いただきます。

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素晴らしい。

会計システムもユニークで、1枚330円で購入したチップで支払うのだ。

ハイサワーが330円、昭和3点セットが660円。

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演出も手が込んでいる。

ところで、「太郎」って誰なんですか?

「うちの支配人です。ハムカツ愛好家の『ハムカツ太郎』として『マツコの知らない世界』にも出演したんですよ」。

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こちらが「ハムカツ太郎」さん。

彼は4年半ほど前に「ハムカツ太郎のハムカツドウ」というブログを始めた。これまでに食べ歩いたハムカツは約800。ハムカツと昭和の匂いをこよなく愛する男性だ。

「昭和3点セット」のこだわりを聞いてみた。

「タコウインナーも揚げしゅうまいも僕が好きなもの。そして、ハムカツは7ミリというハムの厚さにこだわりがあります。今は閉店しちゃったんですが、上野の『田中食堂』さんという老舗食堂で食べたハムカツに感動して、店主に仕入先を教えてもらいました」。

さらに、ソースは大阪の「ヘルメスソース」を使用。ソース好きの中ではソース界のロマネ・コンティと呼ばれているそうだ。

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ネットでも購入できる。

というわけで、美月さんの話。小林市とはどんなところなんだろう。

「霧島連山の麓にあって、自然に囲まれている町ですね。お家から見える星もすごくきれい。市の花のコスモスも有名です。あと、『コスモドーム』っていう展望台があります。今は休業中ですが」。

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生駒高原のポピー畑は4〜5月にかけて見頃となる。

どんなお子さんでしたか?

「5人兄弟の長女で、高校時代は弟と妹の幼稚園にお迎えに行っていました。それぞれ10歳と12歳離れているんです」。

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高校時代の美月さんと4人の兄弟。

高校は進学校だったため、勉強漬けの日々を送る。

「本当に田舎なのでボーリング場、プリクラ、カラオケがあるお店には自転車で30分ぐらいかけて行っていました。あと、学校の正門前におばあちゃんがやっているたこ焼き店があって、下校のときに買って食べるのが楽しみでしたね」。

専門学校入学を機に上京。すれ違う人と挨拶をしないことに驚いたそうだ。

「地元ではスーパーとかでも知らない人に会釈するんですよ。今は自分もそれをされたらびっくりしますけど(笑)」。

思い出話を聞いたところで、施設内を案内してもらった。まずは、レンタルルームから。「ROOM A」はミニキッチン、カウンター、カラオケシステム付きで飲食の持ち込みも自由だ。

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友達を集めてスナックのママ気分を味わえる。

続いて、「ROOM B」は壁一面が鏡張り。

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ダンスやヨガのレッスンに重宝しそう。

外につながるドアを開ければ、すぐ近くに船着場と広場がある。

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テイクアウトして、この一角で食べる人も多いという。

最後はコワーキングスペースとしても使える「HALL」。各所に電源とWi-Fiを完備しており、席も自由に選べる。

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この日は社員の男性が作業をしていた。

なお、店の向かいは別会社が運営する「ラグジィ(LUXY)」というエンタメ施設。

ビリヤード、クレー射撃、ダーツなどで遊べる。

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緊急事態宣言前はお酒を飲みながら楽しむこともできた。

オープニングスタッフとして「シャコウバ」に参画した美月さんは、支配人のもとでメンバーを取りまとめる立場。来場者をいかに楽しませるかを常に模索している。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

竹芝の“社交場”飲食店で、看板娘の「東京に来て驚いたこと」が微笑ましかった
好きなお酒はハイサワーレモンだそうです。

 

【取材協力】
SHAKOBA
住所:東京都港区海岸1-10-45 アトレ竹芝内
電話:03-5422-1445
https://shakoba.com

「看板娘という名の愉悦」Vol.153
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文

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