「検証! 雨に“勝つ”靴」とは……

アウトドアブランドの防水性に疑義を挟むのは無粋な気もするが、昨今、街との境界線が薄れ始めたことで機能面にも影響が及んでいるのではないか……との危惧もある。

そこで試してみた、“モノホン”の実力。

ターゲットはアウトドアブランドのエース、ザ・ノース・フェイス。世界が認める実力者だけに、これまでの方法から一気にレベルを上げて検証してみたぞ!


【検証方法】
①グレーソックスをはき、対象モデルを着用。
②雨天時(降水量約5~7mm)に、水溜りで溢れる公園内を15分ウォーキング。
③シューズを脱ぎ、ソックスの濡れ具合を確認。

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ザ・ノース・フェイス『シャトル レース ウォータープルーフ』を検証!

【検証】ザ・ノース・フェイスの防水スニーカーで水溜まりを爆走...の画像はこちら >>

見た目はタウンユースながら、スペックの凄まじさはさすがザ・ノース・フェイス。アッパーに使われているのは、屈強にして軽量なコーデュラナイロンだ。

【検証】ザ・ノース・フェイスの防水スニーカーで水溜まりを爆走した結果

その生地には撥水加工が施され、ブランドオリジナルのTEKWROOF防水メンブレンも内蔵しているため、優れた防水性を誇る。というより、物理的に水を通さない。

銀イオンによる抗菌防臭効果をプラスするためライニングやフットベッドにはポリジン加工を加え、磨耗しやすいトウ部分にはラバーガードで補強する気の利きよう。

果たして、その威力たるやどれほどか!


【検証】アウトドアブランドの意地を見せられるか!

【検証】ザ・ノース・フェイスの防水スニーカーで水溜まりを爆走した結果

山を出自とするブランドの一足だけに、ニューバランスやコンバースに課してきた検証方法では生ぬるい、というかフェアではないだろう。

ということで、今回は趣向を変え、“水溜りの中だけ”をひたすら動き回ってみることに。そんな、都市生活ではありえないようなハードシチュエーションにも耐えきれるのか……!? 期待と不安が入り混じるが、とりあえず検証開始!

【検証】ザ・ノース・フェイスの防水スニーカーで水溜まりを爆走した結果

歩き始めにまず感じるのは、アウトソールのAMPHI-GRIPの威力。ドライな路面にもウェットな路面にも安定したグリップ力を発揮するとの触れ込みは伊達ではなく、立体成型仕上げの着脱可能な中敷によるクッション性も抜群である。

これなら長時間歩いても苦にならなそうだ。

【検証】ザ・ノース・フェイスの防水スニーカーで水溜まりを爆走した結果

歩き始めてから5分は経とうかという頃になって、ようやくアッパーに濡れた跡が表れ始める。色味がやや濃くなり、浸水一歩手前のような様子。ただ、靴内に染みている感覚はほぼ感じられない。改めて山ブランドの底力を感じる。

10分を超えてきてもなおその状況に変化は見られない。では、もう少し派手に暴れてみよう。

【検証】ザ・ノース・フェイスの防水スニーカーで水溜まりを爆走した結果

水溜りを小走したり、飛び跳ねたりするなど、徐々にアクションを大きくしていった。ご想像通り、飛び跳ねる雨水が嫌が応にもアッパーに降り注ぐ。

ぶっちゃけ、ほぼ水中を歩いているようなレベルである。普通に考えれば、いかに防水とはいえ、ビニールの長靴でもない限り大惨事は避けられない……と思う。

さあ、靴の中は一体。さすがにアウトか!?


【結果】日常生活にも頼もしい山仕様の防水性

【検証】ザ・ノース・フェイスの防水スニーカーで水溜まりを爆走した結果

なんと、あれだけ水の中を動き回ったというのに、ほぼ濡れていない! というよりも、どうやらやや湿っている部分に関しては、水がアッパーを貫通したわけではなく、透湿しきれなかった足蒸れの汗だと思われる。

ぶっちゃけ、「ドロドロに濡れているだろう」と覚悟した割にはほぼノーダメージであることに衝撃。

普段の生活はもちろん、アウトドアフィールドでもここまで悪条件のなかを歩くことはないから、この一足さえあればどんな場所でも、どんな気候でも無問題、といっていいのではないか。

アウトドアの過酷なフィールドと対峙しながらモノ作りを行ってきたザ・ノース・フェイスの本領は、タウン仕様のスニーカーでも発揮。おみそれしました!

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まだまだある! ザ・ノース・フェイスの頼れる防水シューズ

【検証】ザ・ノース・フェイスの防水スニーカーで水溜まりを爆走した結果

今回検証した一足以外にも、ザ・ノース・フェイスには水に強いシューズがズラリ。ランニングに適したモデルから、キャンプに活躍する一足まで、シーンに応じて使い分けられる。

【検証】ザ・ノース・フェイスの防水スニーカーで水溜まりを爆走した結果
左●「ベース キャンプ レース ウォータープルーフ スペシャルエディション」1万5070円、右●「ベロシティ ニット レース GORE-TEX インビジブル フィット」2万1890円/ともにザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン 0120-307-560)

オールブラックがなんともモダンな一足は、撥水加工を施したストレッチニットアッパーで構成。ニットらしい柔軟さ透湿性もさることながら、しっかりとした密度と厚みで仕上げられ、ホールド力のあるヒールカウンターが足のブレやズレを解消する。

片や、独自のカモ柄が印象的な“ベースキャンプ”シリーズの一足は、シューズ内環境を快適に保つ防水透湿機能に磨きをかけ、独自の防水メンブレンで水をシャットアウトする。

【検証】ザ・ノース・フェイスの防水スニーカーで水溜まりを爆走した結果
左●「シャトルスリッポンウォータープルーフ」1万5950円 右●「ベロシティニットミッドGORE-TEXインビジブルフィット」2万900円/ともにザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン 0120-307-560)

足首まですっぽり覆うブーツ型もまたストレッチニットアッパー素材。XTRAFOAMボトム構造を採用しているため、衝撃吸収性と安定性をより高めている。

スリッポンタイプは、今回検証したシューズと同様、生地に高強度のコーデュラ素材を採用。特殊な防水メンブレンを採用したことで防水性も十分だ。

シューズにかかる水量は、先に検証したニューバランス、コンバースとは比べ物にならないものだった。

でもそこはさすが過酷な環境と対峙してきたザ・ノース・フェイス。これまでの経験により培われたテクノロジーは、たとえタウンユース用にもしっかり落とし込まれ、その実力は本当に頼もしい。まさに、アウトドアブランドの面目躍如といったところか。

「検証! 雨に“勝つ”靴」とは……
各社が「防水靴」をリリースしているが、いくら「スゴいんです」と言われても、実際に履いてみなけりゃ真偽のほどはわからない。じゃあ、実際に試させてもらいましょう。新作の防水靴vs.2021年梅雨、ファイッ!
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佐藤 裕=写真 菊地 亮=取材・文

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