レジェンドであり、今もほぼ毎日波に乗り続けるリアルサーファーであるロブ・マチャド。
彼のウェルネスライフの中心には、いつも家族の笑顔があった。
アサイーボウルは毎日食べている
ロブ・マチャドがサーフィン以外でいちばん大事にしているのは、写真を見ればわかるとおり家族である。
「日中は犬と一緒に庭で遊んだり、みんなでビーチや公園に出かけたり。夜は必ず家で料理をして、家族揃って食事をするんだ」。
ロブと奥さまのソフィーが考えるウェルネスライフにおいて、大きな比重を占めているのがその食事だろう。ソフィーが教えてくれる。
「いつも手料理を心がけているの。無添加の食品や自然食品を食べることは、私たちにとって当たり前のこと。サンディエゴにはヘルシーな食材が多いから、ここに住んでいることに本当に感謝しているわ」。
食材の調達はグロッサリー(食料品店)やファーマーズマーケット(定期開催の市場)で。ふたり揃ってキッチンで料理することもしばしば。
毎日のようにアーモンドミルクを作り、アジアンやイタリアン、モロッカンや日本食を含む世界中の料理を楽しんでいる。

またヴィーガンプレートもお気に入り。こちらは家族のように行動をともにする日本人フォトグラファーの、RIP Zingerさんが作ったもの。
キヌアやケールなどさまざまなスーパーフードをふんだんに使った、見た目も見事なひと皿である。

また、毎日食べているのがアサイーボウル。手作りすることもあるけど、毎日「サンバゾン」のアサイーバーでランチすることもあるそうだ。
旅することは、自分の魂とつながること

サンディエゴの北のビーチタウン、エンシニータス市内に、ロブとソフィーのライフスタイルストア「ソルトカルチャー」がある。
メンズおよびウィメンズの服、インテリアグッズ、コスメから書籍まで、さまざまな商品を販売している。もちろんサーフボードも。ソフィーが言う。

「この店は私とロブの人生経験が詰まったスクラップブックのようなもの。大好きな旅をしている中で見つけたものもあるの。こんな店を持つことができて本当に感謝してる」。
そう、旅もまた、ふたりのウェルネスライフに欠かせない要素だとロブは考える。

「旅することは冒険でもあり、自分自身の魂と深くつながってそのスピリットを輝かせる。自然からたくさんのことを教わり、都市からは大いに刺激を受ける。
実は先日、家族でNYを訪れた。僕が仲間のテイラー・スティールと共同プロデュースしているオーガニックテキーラ「ソレント」のお披露目パーティーで僕がギターを弾いて、娘のローズが歌うのがお題。ローズにとって初めてステージで歌う機会だったから、娘と今までになかったつながりを深めることができた」。
“地球のウェルネス”も考えなければ

人生の大部分を海とともに生きてきたロブは、その環境問題についての教育を広めるために「ロブ・マチャド・ファウンデーション」を2004年に設立。長く活動を続けている。
ペットボトル削減のためにウォーターサーバーを地元の学校や施設に設置、定期的なビーチクリーンなどを通じて、特に若い世代に向けて環境問題の啓蒙に努めているのだ。
「いちばんの目的は、次世代の若者たちのためにこの地球をより良い状態で残していくこと。素晴らしいギフトである地球を守り、リスペクトし、恩返ししていくことを伝えていかなくちゃね」。

大好きな家族を得て、そしてその家族と過ごすかけがえのない時間を経験して導き出した結論なのだろう。“地球のウェルネス”があってこそ、自分たちのウェルネスライフが実現できるのである。
最後にソフィーが、今すぐ、誰にでもできるウェルネスのコツを教えてくれた。
「それはずばり、笑うこと。
ウェルネスの本質は意外に単純で、人生を楽しむことに尽きる。決して働くために生きてはいけないよ」。
ロブ・マチャド●1973年生まれ。南カリフォルニアのビーチタウン、カーディフ出身。かつてコンテストのシーンでは世界ランク2位の実績を持っていたが、競技を辞めてから、「フリーサーファー」というプロサーファーの肩書きを確立したレジェンド。現在はサーフボードのプロデュースや環境保護活動など、幅広い分野で活躍を続けている(instagram@rob_machado)。
朴 玉順(CUBE)、山本雄生、山城昌俊、鈴木泰之、宮前良将(Seven Bros. Pictures)、Rip Zinger=写真 水嶋和恵(La Plage)=ディレクション 加瀬友重、菊地 亮=編集・文 シーホース=翻訳・取材 小山内 隆、押条良太(押条事務所)、髙村将司=文 FLUX CONDITIONINGS、MALIBU PYRAMID HOUSE、LIBERTYHILL CLUB=撮影協力