玄人キャンパーが選んだコスパギア●お金を出せば、質の高いモノが手に入るのは当たり前。でも、財源には限界があり、欲望にはキリがない。
空前のキャンプブームにつき、キャンプギアも群雄割拠。いいモノはたくさんあるけれど、“値段の割にいいモノ”ってなると何がいいかわからない。
そこで、外遊びの先輩たちに“買って良かったコスパアイテム”を緊急アンケート。第一回は、何の気なしに買えちゃう「1000円でお釣りがくるキッチングッズ」を紹介する。
①「ウィルドゥ」のフォールダーカップ
「キャンプの食器類やカップをステンレス系や重いホーローに統一するのも好きですが、ちょっと遊びのあるカップを持っていると、テーブルを鮮やかに演出できます」とファッションPRの辻井国裕さん。
ビビッドな色味のこちらは、スウェーデン発のカトラリーブランド「ウィルドゥ」の万能カップだ。
「実はコレ、用途に合わせてサイズを変更できるんです。例えば、グレーの小さい方は、普段はつまみなどを入れる皿として使って、コーヒーを飲みたいときは、カップを拡張させることができます。オレンジのカップは拡張させた状態のもので、カレーやラーメンを入れる皿としても重宝しています。
紙皿を使い捨てるよりもエシカルに食事できるので、日常的に持っておきたいアイテムですね」。

ご覧のように、使わないときは折りたたんでコンパクトにまとめることが可能。しかも、レギュラーサイズは25g、ビッグサイズは45gと超軽量なので、持ち運びも楽チンだ。

ボルシチPR代表 辻井国裕さん(45歳)
キャンプ歴8年。
② 「プエブコ」のアルミトレイ

小林宏明さんは、自身が手掛ける旅のコンセプトショップ「パーヴェイヤーズ」で取り扱い中のアルミトレイをチョイス。
「価格はSサイズ(20cm)で550円、Lサイズ(30cm)で990円と大変お手頃ですので、店でもよく売れています。最初はピカピカすぎて少し気になりますが、使っていくうちに細かい傷がついて、いい味を出してくれるんです」。
写真のようにピザを置いたり、取り皿にしたりと用途はさまざま。SからLサイズまですべて揃えても、薄く重ねられるため嵩張る心配もナシ。
極めつきは、アルミならではの丈夫さと軽さ。タフさが求められるキャンプにて打ってつけだ。

パーク代表 小林宏明さん(40歳)
キャンプ歴約20年。趣味である旅行やアウトドアの経験を生かし、2017年に群馬県桐生市に旅のコンセプトショップ「パーヴェイヤーズ」をオープン。2021年には、ブルワリー&カフェレストランを併設。
③「バンドック」のフォールディング ジャグ

キャンプにまつわるさまざまな情報を発信する日本最大級のアウトドアWEBマガジン「キャンプハック」の編集長である松田さん。
四六時中キャンプギアをチェックしている編集長が選んだ、超コスパのアイテムがこのウォータージャグだ。
「キャンプハックのYouTubeチャンネルで担当者が紹介していたのを見て、思わず購入しました。安いうえに見た目も良く、収納にも困らないので重宝しています。ジャグは絶対に必要というアイテムではないからこそ、1000円以下で買えたのが良かったです。保冷機能はありませんが自分にはこれがちょうどいいんです」。
炊飯時や手が汚れたときなど、近くにあると意外と出番の多いウォータージャグ。折りたためば、マルチケースやバッグの隙間にこっそり忍ばせておくことができる。

キャンプハック編集長 松田隆史さん(32歳)
キャンプ歴8年。2016年に編集部に入って以来、仕事でもプライベートでもキャンプ漬けの毎日を送る。最近フレックスでハイエースをリノベーションした「リノカ」を購入。その勢いで自宅も改装した。
④「グリーンモーション」のエコキッチンクリーナー

キャンプでは、大自然の中へ人間がお邪魔するからこそ、できるだけ“エコ”目線のアイテム選びを心掛けたい。
「ほとんどが植物由来成分でありながら強力に油分を分解してくれるキッチンクリーナーです。 排水の先が自然の中というキャンプ場もあるので、洗剤を使わずに環境に優しい洗剤を常備することをおすすめします」と長田孝洋さん。
洗浄成分である界面活性剤をわずか1%に抑え、そこに香り成分をプラス。残りの98%以上は水という環境想いなクリーナー。洗剤代わりにこれを吹きかけ、あとは汚れをこすって水で流すのみという手軽さもいい。
自然由来のモノはどうしても高くなりがちだが、良心的な価格で購入できるのもポイント。

スタンダードポイント代表 長田孝洋さん(42歳)
キャンプ歴15年。富士五湖周辺の人気アウトドアショップ「スタンダードポイント」では、キャンパー目線でセレクトした定番アイテムから、ガレージブランドの新作、ビンテージまで幅広く販売。独自の審美眼が光る。
⑤「エバニュー」の2ケ入玉子ケース

キャンプシーンで食べるたまご料理は格別だが、持参するには障壁が多い。「ディッセンバー」の代表である菊池大二郎さんは、そんなときにぴったりのアイテムをチョイス。
「たまご好きにとっては最高の運搬用ケースです。M、Sサイズのたまごが2つ入ります。これなしでキャンプやハイキングにたまごを持って行ったら大惨事が起こるので(笑)。
しかも、茹でたまごにしたければケースごとお湯に入れて引き上げればOK! キャンプでは水が貴重ですが、これならお湯の有効活用もできちゃいます。

ディッセンバー 代表 菊池大二郎さん(47歳)
キャンプ歴40年。山形と目黒に店を構える名店「ディッセンバー」を経営。レトロなアウトドアギアのセレクトセンス、コットンやウッド、メタルを使ったローテクなオリジナルギアに定評あり。
⑥ 「ベルモント」の抗菌バタフライ カッティングボード

オーシャンズウェブ編集長の原は、キャンパーにありがちな“まな板あるある”から、このカッティングボートに行き着いた。
「まな板って絶対に使うけど、収納しにくくて持って行くとなると意外と大変。それで薄手のものなら良いだろうと、以前は100円ショップのペラペラのものを使っていたんですが、結局幅があるから丸めて収納することになって、いざ使うときに歪んじゃって使いにくかったんです。
そして出合ったのがこの折りたたみ式。考えてみるとまな板って縦幅はいらなくて、横幅だけあれば良いんですよ。これならコンパクトに二つ折りできて収納にも困りません」。

5mm刻みで40cmまで測れる便利なメモリ付きで、釣った魚を調理するときにも活躍しそう。フィッシングベストのポケットに収まるサイズ感もうれしい。

オーシャンズウェブ編集長 原 亮太(42歳)
キャンプ歴6年。息子の教育にも良いかと始めたキャンプ。バリバリのファッション街道を歩んできたが、少しずつアウトドア志向になり、最近ではステイホームを充実させるべく庭の家庭菜園にも熱を上げている。
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こうやってみると、キッチングッズといえど細かいところにこそキャンパーとしての個性が反映されている気がする。小さなこだわりグッズをゲットして、自分スタイルを表現しよう!
鈴木純平=取材・文