スノースポーツのトップメーカーでキャリアを積んだ中村ヒロキ氏が指揮を執り、今年で21年目を迎えたビズビム。

デビュー当初はフットウェアブランドとして注目され、しだいにアパレルも絶大な支持を集めるなど、国内にとどまらず海外でも高い評価を獲得してきた。

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では、なぜ服好きは感動を覚えるほどビズビムに惚れ込むのか。かれこれ10年来のファンというファイヤーワークス 代表の小松大輔さんはこう語る。

「アメリカンカジュアルを基本としつつ、ただのベーシックではないんです。ときにモード的なアレンジを盛り込んだり、緻密なハンドクラフトを駆使したりと、絶妙にヒネリの利いたデザイン。そして手の込んだディテールワーク、厳選された上質素材、研ぎ澄まされたシルエットなど、すべてがハイレベル。

結果、目の肥えた大人を満足させる逸品に仕上がっている。アメカジを背景に持つブランドはたくさんありますが、個人的にその最高峰だと思います。

加えて、日本の伝統服や和のテイストを取り入れたプロダクトも非常にユニークです。たとえば、冬のアウターは上半身を覆い隠して単調に見えるのが難点ですが、僕が昨年秋冬シーズンに購入した半纏型のダウンジャケットはカーディガン感覚で羽織れて、インナーとのコーディネイトを楽しめるのがいい」。

なぜ服好きは「ビズビム」に惚れ込むのか。ファッションのプロ2人の答えは?
ホーウィン社製ベジタブルタンニングレザーを使い、グッドイヤーウェルテッド製法で仕上げたモカシン靴。ビブラム社製ラグソールを採用しており、グリップ力も優れる。各11万8800円/ビズビム 03-5468-5424

一方で見逃せないのが、原点であるフットウェア。オーセンティックでありながらも、現代的なアップデートやオリジナリティに富み、何より履き心地が最高! と、同じく魅了される目利きは多い。

ビオトープ ディレクターの迫村岳さんもそのひとり。

「やはりこのブランドの商品は存在感が圧倒的。醸し出されるオーラが違います。今季はボリュームのあるソールとハンティングダックブーツをミックスさせた『デコイ ダック ジー パテン フォーク』と、デッキシューズを再解釈した『ウォレス デック フォーク』に感銘を受けました。

どちらも一生付き合っていける靴だと思います」。

服にも靴にも共通して言えるのは、使い込むことで10年、20年先に本領を発揮する“ヴィンテージを前提とした”モノ作りであること。

流行り廃りとは無縁の、真の価値を追求する姿勢が服好きたちを惹きつけてやまないのだろう。

ファイヤーワークス  代表
小松大輔さん Age40
中学時代にスケートボードと古着にハマって以来アメカジひと筋。それが米国ビールの輸入、バーバー、ヴィンテージショップを営む現在につながる。

ビオトープ ディレクター
迫村 岳さん Age42
シンプルな中に存在感のあるものを手に取ることが多い。最近は洗いざらしのものなど、やりすぎないカジュアルスタイルが好み。

清水健吾=写真 梶 雄太、来田拓也、星 光彦、野上翔太=スタイリング 増山直樹、早渕智之、長谷川茂雄、いくら直幸、髙村将司、大西陽子、森上 洋、中田 潤、今野 壘、オオサワ系、大木武康=文

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