先日登場した新型ランドクルーザーの300系。

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注文が殺到したことやコロナ禍の影響、半導体不足などによって現在納車まで2年以上かかるようだ。

えー! 2年も我慢できない! ならオススメしたいのが、ちょい古のランクル80・90系。中古車相場もじわりと上がってきたから、2年後には乗り換える前提で手にするのもアリだと思うのだ。


■トヨタ ランドクルーザー80系

新型ランクル2年待ちの間に、チョイ古な80・90系を楽しむのはアリかも
ランドクルーザー80系。北米市場を見据えて全長4970mm、全幅1930mmと60系よりひと回り大きくなった80系。乗用ワゴンは4速ATのみ、商用バンには5速MTも用意された。

1954年に登場した初代ランドクルーザー。そのステーションワゴンの系譜を受け継ぎ、1980年に登場したのが60系、いわゆる「ロクマル」だ。

▶︎ランクルの歴史をサクッとおさらい

もう40年以上前の車だが、中古車の平均価格は300万円以上するように、今なお人気が高い。

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悪路走破性をさらに高めるフロント及びリア電動デフロックがオプションで用意された。

そこで最近注目されているのが、60系の後継モデルである80系(ハチマル)だ。

バブル経済全盛期の1989年10月にデビューしたこともあり、ロクマルよりも乗用車ライクに仕立てられていた。乗用ワゴンと商用バンがあり、乗用ワゴンにはランクルではじめて8人乗り仕様も用意されている。

エンジンは乗用ワゴンが4Lガソリン、商用バンが4.1Lディーゼルターボ。1992年8月に4Lガソリンエンジンは4.5Lの新エンジンに変更されている。

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80系から高級セダンのようなインテリアになった。といってもグローブを着用したまま操作できるようスイッチの大きさ等が工夫されている。

ハチマルではランクル史上初めてサスペンションに板バネ(リーフスプリング)ではなく、巻バネ(コイルスプリング)が採用された。これで乗り心地と操作性がグッと向上。

さらに従来の、2WD/4WDを任意に切り替えるパートタイム式4WDに加えて、このクラスのSUVとしては初めてセンターデフ付きフルタイム4WD(4WD状態でも交差点をスムーズに曲がれる)が上位モデルに採用された。

見た目は高級SUVだけど、どんな過酷な状況でも駆け抜けられる性能と耐久性を備えた本格派。ロクマルより新しくて台数も多いこともあり、現在中古車で人気が高まっていて、平均価格約280万円はハチマルの後継である100系よりも高い。

とはいえロクマルよりは安いので「ロクマルは友達とカブるから」な人にも打ってつけだ。


■トヨタ ランドクルーザー90系

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ランドクルーザー90系。全長は3ドアが4240mm、5ドアが4675mmとハチマルよりはグッとコンパクトなランドクルーザー。3ドアは上記5ドアと異なり丸目のフロントライトが備えられた。

アウトドアではなくレジャー需要と呼ばれていた1980年代、ランドクルーザーに誕生したのが、ヘビーデューティな70系のショートボディをベースとした「ランドクルーザーワゴン」だ。

当時すでにランドクルーザーの名声は世界中に轟いていたが、そんなランクルをもっとカジュアルに楽しめるモデルとして設定された。

上記の高級SUVの道を歩むハチマルとは別の道を踏み出したこの系譜のモデルには、1990年に「プラド」のサブネームが与えられた。

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バックドアは横に開くタイプ。標準ボディと、フェンダーが膨らんだワイドボディの2種類があった。写真はイギリス仕様の3ドアモデル。

このプラドの2代目として1996年に登場したのが90系だ。

3ドアのショート(5人乗り)と5ドアのロング(8人乗り)があり、3.4Lガソリンエンジンや2.7Lガソリンエンジン、3Lディーゼルターボエンジンが搭載された。

また4WDシステムも従来のパートタイム式からフルタイム4WDとなり、街乗りから悪路まで一気に走れるようになった。

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センターコンソールには方位/傾斜/外気温/気圧/高度を表示するフィールドモニターが備えられた。

カジュアル、という意味は悪路走破性がカジュアルになるのではなく、むしろ世界レベルのランクルの性能を手軽に楽しめるようにしたということ。

だから多くの人が乗りやすいようサイズもコンパクトだし、新車時価格も当時のステーションワゴン系譜の100系と比べてざっと100万円安かった。

全長約5mという堂々としたサイズのハチマルに比べ、90系は5ドアでも現行型ハリアーとほぼ同じ、3ドアはカローラクロスよりも小さいから街乗りも楽勝だ。

最近はハチマル同様に注目を集めていて、中古車の平均価格は約210万円と、90系の後継モデルである120系よりも高いが、それでも現行型プラドより安い。

さあ300系の納車待ちの間に、80系と90系、どっちを選ぶ?

 

籠島康弘=文

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