「普通の映画では、女優はあまり危ないことをさせてもらえなくて、スタントさんに任せることもありました。でも今回は、全員がリアルを追求していたので、ガチ当てもありましたし、全てのアクションに挑戦させてもらえました。自分にできない技もあって悔しくて泣きそうになったり。泣いてもどうにもならないし、メイクが崩れるだけなので我慢しましたけど。撮影中にできなかった技を絶対にできるようになりたくて、撮影が終わってからも個人的にアクロバットを練習しています」
激しい撮影をそのように振り返る清野だが、彼女はもともと中1からティーン向けファッション誌「ピチレモン」でモデルとして活動し、高1で女優に転向した過去の持ち主。お色気が必須の園子温作品では、彼女にも“脱ぎ”が求められたが、迷いはなかったのだろうか?
「『脱げるかどうか?』と聞かれたときは、初めてのことだったので、躊躇しました。でも、やると決めたからにはすべてをぶつける覚悟を決めた。撮影は中盤だったので、その日まではドキドキしましたけど、撮り終えたときには自分の可能性が広がった気がしました」
そんな“過酷”な現場を経た清野は、1994年生まれの19歳。「早く成人したいです」「20歳になったらお酒の席で食事できるのが楽しみです」と語る彼女は、「アクションがなくても求められる芝居ができる役者がやりたい」と抱負を述べているが、理想のデートは、「一緒にアクロバットの練習をすること」だそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.115(2014年8月11日発売/太田出版)