「『笑顔の天下』って言っているけど、きっと、それはウチらだけでは取れるもんじゃなかったりすると思うんですよ。どんな仕事でも、人を笑顔にするためにやっているわけじゃないですか。たとえばシャーペンを作っている人たちも、『このシャーペン、使いやすい!』って誰かが喜んでくれるのかを考えているんだろうし、どこかで誰かが笑顔になっている、という思いでみんな働いている。
だから『笑顔の天下』というものは、そういう人たちを巻きこんでいったりだとか、きっと、そんなことが必要なんですよ。その中で一番前を歩く人になりたいなって」
今年の24時間テレビでは、志村けん率いるコント一座のメンバーとして、ろう学校の子どもたちに笑顔を届ける企画に参加した百田。メンバーたちは、そんな百田の背中を見ているわけだが、「一番前を歩く」プレッシャーはないのだろうか?
「たぶん間違えますよ、道を。みんなを間違ったところに連れて行っちゃうかもしれないけど、そのときは『こっちに来て間違ってたから、あっちの道へ行ってみましょう』って、みんなに言いますよ。みんな、間違ってごめんねって。でもさ、間違えた道でなにかいいものを拾うかもしれないでしょ? そうなったら、道は間違ってたけど、結果、よかったよねって」
国立競技場ライブや初主演映画、初主演舞台など、数々の挑戦を乗り越え、発言には余裕さえ感じられる百田。これから年末年始に向けてイベントが目白押しのももクロだが、百田は、
「こんなに歩いているのに、全然着かないなぁ、とか、本当にいろいろなことがあると思うけど、誰かのために、ずっとやっていけたらいいなって思います」
と語っており、“天下”は着実に彼女たちの手に近づきつつあるようだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.122(2015年10月13日発売/太田出版)