「カメラ向いてるし、みんなニコニコ笑ってるし、それが全国に映ってると思ったら楽しいじゃないですか。そういう非常にシンプルな理由です(笑)。でも不思議ですよね、テレビって。アーティストの人がテレビ出るのはセールスや動員の目的もありますけど、それに比べるとタレントってウソ臭いでしょ? 番組の責任者はプロデューサーかディレクターで、責任もありそうでない。そういうグレーゾーン、商売としてうさん臭い部分を含めて楽しいと思えますね」
何とも彼らしい言い回しで、テレビの面白さを解説する東野。自分自身はあまりテレビを観ないそうだが、そんな彼が「今年面白かった」と語るのが、『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)で放送された「中年純情物語」(2015年7月5日放送。“カタモミ女子”というアイドルを応援する53歳の男性を追った)だという。
「あれ、失礼やけどめっちゃ笑いませんでした? ドアのない個室で、なんでアイドルがファンのおっさんの肩もみせなあかんねんって…(すごい嬉しいそうに)。あれと1年ぐらい前にやっていた長与千種さんの回(「敵はリングの外にいた」 2014年放送)もよかったですねえ。長与さんはカラオケスナック経営していて、TUBEの『あー夏休み』歌ってました。部屋帰って、でかいカップラーメンとパン食べてるという…胸に染みますよ!」
「『こんな映像観てええんかな!』と思いながら、キラキラした目で観てました(笑)」と振り返る東野。
◆『クイック・ジャパン』vol.123(2015年12月10日発売/太田出版)