「やっぱりグループにいるっていうのは、大きな船に乗っかりながら進んでいる感じがして。ファンの方もたくさん応援してくださるし、大きい会場でライブもできるようになったけど、その一方で、『自分ひとりだったらなにができるの?』って考えるようになったんです。
グループはどんどん成長しているけれど、私自身は本当に成長できているのかがわからなくて。将来のことを考えたときに、もっと自分の実力をつけたい。そのためには、自分が今いるべき場所はここじゃないかもしれない、と感じたことはありました」
2014年に音大受験のために一時休業した生田。その時、「グループを卒業したほうがいいのかなって真剣に悩んだ」という彼女だが、ミュージカル『ロミオとジュリエット』のオーディションを受けたことで、「両方やる」という選択が正解だったことを確信したそうだ。
「もしも乃木坂じゃない自分がオーディションを受けていたら、萎縮して自分をなにも出せなかったと思うんですよ。でも、たくさんの人の前に立ってたくさんの人に楽しんでもらおうとしてきた乃木坂での経験が、オーディションのときに活かせたんです」
5月に出演する『レ・ミゼラブル』のオーディションでは、外国人の審査員に「君はなんて楽しそうに歌うんだ」と言われたという生田。アイドルとしてファンを魅了しながら、彼女の夢だったミュージカル女優に向けて、着実に階段を登っているようだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.130(2017年2月24日発売/太田出版)