「6つ子をこれまでに経験したことがない状況に置くこと――今回では新キャラクターを追加することですが、それによって作品としての魅力も高めたいという思いがありました。そうやって出来上がってきた映像を観ると、『原点回帰』のテーマが自然と浮かび上がってくるものになりましたね」
新キャラクターが登場し、そのキャラクターを中心としてエピソードの連続性を生み出すアイデアが採用された第3期。物語のカギを握るのが、第2話から登場したAIだが、これはどういった意図があったのか?
「藤田(陽一)監督ともよく話しているのですが、『おそ松さん』はギャグアニメなので、なるべく時流を取り入れていくことを大切にしています。AIの彼らを登場させたのは、今の時代を反映させようとしたひとつの結果でもあります。世界観に馴染みながらも、違和感を――そんなイメージを追い求めた結果、安彦(英二=キャラクターデザイン)さんならではのキャラクターになったかな」
『おそ松さん』は、アニメに留まらず舞台やイベントにも発展。コンテンツとしてまだまだ無限の可能性を秘めているが、今後についてはどんなビジョンを描いているのか。
「第3期目をやらないといけないなと思ったのが、劇場版の宣伝で全国の映画館に足を運んで、お客さんの熱量を肌で感じたことだったんです。これほど支持があるのであれば、あえて終わらせる必要はないなと。明確な物語があるわけではないので、続けようと思えば続けられるのですが、制作自体は非常に大変なので、単純にこちら側が腹をくくるかどうかにかかっています(笑)。
あとは、第1期、第2期のとき小学生だった人たちが、5年経って中~高校生になったり、中学生だった人たちが高~大学生になったり、リアルタイムで放送を観る可能性も出てきたわけです。それってすごくありがたいことですし、そのチャンスは活かしたいですね。
シリーズが続くことでファン層も広がり、作品にも奥行きが生まれる好循環が生まれつつある『おそ松さん』。第3期を経ることで、また一段ステップアップすることになりそうだ。
◆『クイックジャパン別冊 おそ松さん』(10月23日発売/太田出版)