純粋なお笑い番組として、ゴールデンタイムで奮闘を続ける『有吉の壁』(日本テレビ系) 。この番組をきっかけとして多くの芸人がチャンスを掴む中、大ブレイクしたのがチョコレートプラネットだが、彼らにとって『有吉の壁』はどんな番組なのか? 2020年12月25日発売の『クイック・ジャパン』vol.153で、チョコプラの2人はこう語っている。


長田庄平 「『有吉の壁』は観覧もいない、芸人がネタをやり芸人が笑うという、そこがちょっと特殊ですね。いや怖いですよ、スベったときの打撃が半端ない。芸人、同業に受け入れられてないって感じがするじゃないですか」

松尾駿 「一番お笑いやってる感じします。番組からは設定だけもらってあと全部芸人が考えるっていうのもほかにない。ちょっと言い方悪いかもしんないですけど、こんななにも考えてくんないの?って思うぐらい(笑)」

番組ではMVP級の活躍をしてきた彼らだが、中でも大ヒット作となったのが、2018年に披露した「TT兄弟」だ。CMにも起用されるなど、番組を超えたヒットになったが、大ブレイクは周囲の力も重要だったという。

長田 「芸人も一応各々ライバルではあるんですけど、やっぱチームワークを大事にしますから。こっちもやるときにやっぱ笑ってほしいし、等価交換じゃないですけど。たとえばTT兄弟でほかの番組行ったときに最初は『これはどういうことですか?』ってなる。『有吉の壁』では一発屋っぽい感じのネタを作ろうっていう企画趣旨をみんなわかってるから『あ、そのとおりだね』って笑ってくれるんですけど」

松尾 「この番組は男子校のノリというか。僕らが男子校の生徒でOBの有吉さんがふらっとやって来た、みたいな」

司会の有吉弘行には「有吉さんは王。王にお笑いを献上する」(長田)、「絶対的存在って感じがします」(松尾)と、全幅の信頼を寄せるチョコプラ。
厳しい現場なのは事実だが、だからこそ充実した時間を過ごせているようだ。

長田 「雪山にサンダルで行かせられたとき、マジ足の指もげるかと思うくらい冷たくて、俺らも本気のリアクションだった。でもそういう番組って今ないじゃないですか。僕らが観てたお笑い番組ってそういうのだったんですよ。だから『なんだよこれ』って言いながらもすっごい『お笑いやってる』っていう充実感があるんです」

松尾 「僕ら全然仕事がないときに『有吉の壁』に出させてもらって、しかもオーディションからだったんです。それは特別ですよね。『拾ってもらった』感覚はずっとある」

TT兄弟の次には「Mr.パーカーJr.」もヒットし、番組に欠かせない存在のチョコプラ。TT兄弟では「えげつないぐらい稼がせていただいた」(長田)とおどけるが、まだまだ快進撃は続きそうだ。

◆『クイック・ジャパン』vol.153(2020年12月25日発売/太田出版)
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