「もともとうっすらとターゲットを考えていて……偉そうですけど(笑)。同世代の、根っこが童貞で、不貞腐れずにがんばっている人に向けてやってます。そしたら、たまに街で『YouTube見てます』って声かけてくれる人、全員そういう人ばっかりで。狙い通りですね(笑)」
ターゲットはニッチだが、登録者数は順調に増えており、3月末時点で10万人超。港区に住んでいることは大きなセールスポイントで、「この家がなかったら、たぶんチャンネル登録者100人くらいですよ」というが、具体的にはどんな動画が登録者数増を支えているのか?
「やっぱり食べ物系だと『デカい』『辛い』、あと福田麻貴さん(3時のヒロイン)に出てもらってる『エロい』系の動画は伸びますね。でも、いつも同じような感じでやってるからこそ全部の動画が伸びるし登録者数も増えるっていうのはあります。毎日同じようなことをしてるなかで『激辛』のネタがあるから、『あ、こういうヤツなんや』って中身も知ってもらえて、ほかの動画も伸びるというか。まあ僕自身は全然、動画観てないんですけど……(笑)」
岡田はもともと「オレンジサンセット」のほか、複数のお笑いコンビを経てピン芸人になった経歴の持ち主。売れてお金が入るようになってしまったら、チャンネルの魅力が失われるジレンマはあるが、これにはどう対処するのだろうか。
「売れるのがめちゃくちゃ怖いですよね。たぶん生活に余裕が出てきても、それを発信するのはできないと思うんですよ、性格上。かと言って貧乏ぶるのもウソになりますし……。
複雑な胸の内を明かしつつ、「周りの価値観に無理して合わせる必要はないんやって。ありのままで生きていくべきですよ」と、力強く語る岡田。家賃3万7000円の男のサクセスストーリーがどう進んでいくのか、興味深く見守ることになりそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.154(2021年2月26日発売/太田出版)