佐久本医師は1989年に琉球大学で県内初の体外受精を成功に導くなど、国内の生殖医療創設期をけん引したメンバーの一人として知られる。体外受精を含めた不妊治療の保険適用が2022年にスタートし、今後も関心の高まりが予想されることから執筆した。
同書では、赤ちゃんが授からない原因や妊娠しやすい子宮環境などについて解説。新常識として「将来の妊娠に向け、自分の生活や健康に向き合うこと」の大切さを強調している。
佐久本医師は「医療テクノロジーは日々進化しているが、それだけではうまくいかない。若い頃から心と体を整え、自分の持っているポテンシャルを高めていくことが大切」と指摘する。
ポイントとして(1)適正体重や食生活の改善など自分の体の状態を知る(2)適度な運動や温浴、ストレスケアなど健康的な生活習慣を身に付ける(3)葉酸やビタミンD、亜鉛など必要な栄養素を取る-の3点を強調。
「現代社会は便利になり過ぎて意識しないと不健康になってしまう。ウオーキングを続けたことで妊娠した人もいる」とし「男女問わず、将来的に子どもが欲しいと思う人は、ぜひ一読してほしい」と話した。
定価1100円。県内書店などで販売している。(社会部・下里潤)