披露宴を挙げたのは、金城帆高さん(25)とさくらさん(26)。
帆高さんは毎年の旧盆、母の弥生さん(48)の実家で平敷屋(西)のエイサーを見て育った。「自分の披露宴では必ずエイサーを見たい」と、平敷屋の同級生への依頼も考えたが、エイサーをしている人はごくわずかだった。
見かねた母の弥生さんが、同級生の徳村さんに出演を依頼すると「同級生の子どもの結婚式なら」と二つ返事で承諾してくれた。16人が集まり、昨年11月に開かれた披露宴まで2カ月間、仕事の合間を縫って練習を重ねてくれたという。
25歳での卒業が決められている平敷屋青年会。伝統的に東・西に分かれていたが、2022年から青年会加入者の減少で東西合併が決定。普段の演舞では力強さが特徴の東の型が中心で、足の運びがしなやかな西の型が披露される回数は少なくなっている。
徳村さんは現役時代、道化役の「ナカワチ」を担当していたが、披露宴では初めて花形のパーランクーを持った。
帆高さんの父の光和さん(58)は「息子の晴れ舞台で、大好きな西の踊りを見られて感無量だ」と興奮した様子で話した。4年前に那覇市から糸満市に引っ越した際は、平敷屋青年会(西)に依頼し、祝いの演舞をしてもらったほどエイサーには愛着が強い。
帆高さんは「妻と一緒に自分たちが好きなエイサーを見られてうれしい。これからも西の型が継承されていくことを願っている」と伝統に対する熱い気持ちを語った。
