加藤さんは、出身地の神奈川県で高校までを過ごしたが、母と定期的に宜野湾市に帰省してエイサーや沖縄の海のサンゴ礁を見て育った。「東京にはない自然や価値観が沖縄にはあった」と振り返る。
都内で整形外科の看護師として働き、患者の膝腰の負担を軽くする指導をしようとウオーキングを習い始めた。ウオーキングの講師から大会のことを聞き、自分を見つめ直す機会になると出場を決めた。
加藤さんの衣装は服飾製造・販売のマドンナ会長の山内光子さん(78)=那覇市=が担当した。山内さんと加藤さんは別のショーで知り合い、沖縄の自然をテーマにしたデザインを手がける山内さんに共感した加藤さんが衣装の制作を依頼。山内さんは、加藤さんのために紅型の鳳凰(ほうおう)や月桃、ストレリチアをあしらったドレスを完成させた。
大会にはブルガリアやインド、フィリピン、ベネズエラなど世界各国のモデルが出場。加藤さんはウオーキングを披露し、プレゼンではペットの野生化の問題を取り上げ買い主の責任を呼びかけた。
加藤さんは「海外のショーでは自分のルーツや価値観といった内面を意識しないといけない。これからも沖縄の自然を通して持続可能な社会の実現を表現していきたい」と語った。山内さんは「引き続き沖縄の伝統文化を世界に発信してほしい」と期待した。
(写図説明)トルコで着用した紅型のドレスを披露する加藤華奈さん(右)とドレスを制作したマドンナ会長の山内光子さん=12月19日、那覇市内