予防接種(ワクチン)は最も効率的な感染予防手段で、きれいな水の次に人々の健康を守ってきました。ワクチンのおかげで天然痘が撲滅され、ポリオ、麻疹(はしか)の発生が見られなくなっています。
一方で、予防接種が広く浸透し、疾患自体が少なくなると、ワクチンの効果や恩恵を忘れて反対する人もいます。もちろん、ワクチンは万全ではありません。人々の健康を守る目的で、重篤な副反応が起きないように作られています。ただ、まれにアナフィラキシーなどのアレルギーが起こります。人の免疫が多様だからです。日本で発見されたゼラチンアレルギーは、ワクチン接種後の副反応から見つかっています。
ワクチンは絶えず見直され、改善されています。重篤な健康被害を防ぐために、接種後30分は院内で体調の変化を確認することが大切です。
予防接種への反対意見は世界中でみられます。その主張は主に3点です。
接種後の健康被害は、ワクチンとの関係が調査されます。補償は定期接種の方が充実しており、接種期間内に受けることを推奨します。心配な方は医療機関や市町村に相談してください。ワクチンで防げる病気は、ワクチンで防ぐことが大切です。留学や海外渡航前には接種が求められます。感染症が急速に拡大する現代でワクチンはなくてはならないものです。よく理解して受けていただきたいです。
(浜端宏英、アワセ第一医院小児科=沖縄市)