クラスで生き物係を担当していた希愛来さんは大の生き物好き。昨年8月に成虫になったヤマトカブトを知人から譲り受け、カブくんと名付けた。
希愛来さんと母愛子さん(45)が飼育でこだわったのが「暖かさ」と「餌」だ。カブくんが暮らす飼育ケースの定位置は 風呂場隣の台所。「調理の熱と風呂場の蒸気で暖を取れるベストポジション」と愛子さんは分析する。
当初、知人から「餌は昆虫ゼリー」と教えられたが、母と娘は思った。「あんなに甘い匂いがする食べ物は、人工甘味料が多くて何だか体に悪そう」
餌を自然界により近いフルーツにすると、カブくんの食いつきが明らかに違った。希愛来さんは「大好物のバナナにずっと抱きついていた」と振り返る。
希愛来さんは「こんなに長生きするとは思わなかった」と笑顔。2人の愛情とこだわりが、カブくんの長寿を支えている。
東京都中野区で昆虫ショップ「むし社」を営み、カブトムシの生態に詳しい飯島和彦代表(48)は「最適な飼育の気温は20度から25度ぐらい。沖縄の温度や湿度も影響しているのでは」と説明する。「暖かい場所と、フルーツを食べさせていることが長生きの秘訣(ひけつ)かも」と話した。
