沖縄県内のスーパーなどでキャベツの価格が例年の2~3倍に高騰している。県外産は昨年夏の猛暑で主な産地で作付けが遅れ、県産も小雨などで生育不良となり、いずれも供給量が不安定になっている。
県産が比較的安く購入できるJAのファーマーズマーケットやうるま市のうるマルシェはキャベツを求め来客が増加。スーパーがハーフカットで販売するなど試行錯誤する中、関係者は「高騰のピークは今週ではないか」と見ている。(政経部・金城紅映)

高値が続いているキャベツ=15日、西原さわふじマルシェ

 県中央卸売市場によると、過去1週間の平均卸売価格は310~423円で推移。昨年1月の平均価格は100円で、今月6日には4倍に当たる1キロ423円まで上がった。
 野菜の卸売りを手がける沖縄協同青果の担当者によると、群馬県産の取引が終わった昨年10月末ごろから高値が続いている。
 県外では愛知県や茨城県など主な地域が猛暑で作付けが遅れた。県産は植え付けを始める10月に小雨や曇天が続き、気温が上がらなかったため小ぶりになる傾向が見られ、出荷も遅れている。「ここまで高くなることはまれだ。若干の変動はあるが、当分は高値が続くだろう」と話した。
 ファーマーズでは県産を1玉400円前後で販売。昨年の同時期は約200~300円だった。担当者は「今年は小ぶりのためサイズで見ると割高になっているが、他のスーパーなどと比べて安いと手に取る客もいる」と話した。

 うるマルシェでも小ぶりなキャベツは400円以下、大きめは400~550円で販売。昨年は大きめサイズで350~450円だった。担当者は「一般や飲食店の経営者などから問い合わせが多い。割安感を求めて来場が増えている」と述べた。
写真を拡大 キャベツの価格推移(県中央卸市場)

 スーパーでは1玉約500~800円で販売されている。例年は300~400円で、現在は半分や4分の1にカットするなど少しでも客に手に取ってもらえるよう工夫する。
 価格が変わっていない千切りされたカットキャベツの需要が伸びているが、店舗が受注する数に制限が出るなどキャベツ全体の品薄の影響は広がっている。
 あるスーパーではキャベツの販売量が3分の1ほどになるなど、値上がりを受けて購入の動きが鈍っている。比較的価格の安いもやしや豆苗などが2倍近く売れている店舗もある。スーパー関係者らは「そろそろ県産キャベツが出回るため価格は落ち着くだろう。今週までがピークかもしれない」と今後の動向を注視している。
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