アニメ「サザエさん」の舞台は高度経済成長期に当たる1960~70年代の東京で、3世代が同じ屋根の下に暮らす。「テレビで放映され続けて56年になるけど、この家族は誰も年を取らない。波平さんも1本しかない髪をずっとキープしていますよね」と「奇々」を語った。
一方、人に青年期や壮年期、老年期があるように家族にも発達段階があり、社会学では「家族周期論」と呼ぶ。「婚前期」には経済的な自立の準備、「新婚期」には夫婦間の生活リズムの調整、子どもが生まれた後の「養育期」には夫婦間の役割分担の再検討などが必要になる。また、発生するいろいろな問題を一緒に解決することで家族は成長していくという。
波平の介護が始まり、さらにマスオが倒産して稼ぎ手2人を失ったとの想定では、参加者から「働きに出るならサザエ。この人の人脈ならユーチューバーとしてもブレークするはず」との意見も。
まもなくフネが認知症になると、「家事はカツオとワカメもできるはず」「ネットスーパーを使おう」「波平はデイケアへ」「フネが出歩いてしまいそうならご近所にも声をかけよう」などの声が上がった。
桃原さんは介護サービスや就学援助、生活保護などの制度利用も一助になると説明。その上で「『ゆいまーる社会』と言われる沖縄も社会的な孤立は深刻。人とつながる底力を付けていきたいですね」と話した。