那覇市の小禄市営住宅で、天井に使用されていた資材「吹付けパーライト」から基準値を超えるアスベスト(石綿)が検出された問題を巡り、新たに1、4、6号棟からも検出されたことが分かった。市は全戸調査を行っておらず、現時点で検出されていない棟についても「アスベストが含まれている可能性が排除できない」と指摘。
安全面を考慮して、全棟での除去作業を検討する。
 市は、昨年アスベストが検出された10号棟と、同時期に建てられた11号棟の2棟で、同資材が使われている天井の改修作業を始める。6月までに住民の移転を終え、7月ごろから工事を行う予定。
 同市営住宅は1~11棟の計670戸。1987~88年に完成した。昨年には10号棟の1部屋で、同資材から労働安全衛生法で定められた基準値の0・1%を超えるアスベストの含有を確認。その後、2号棟と5号棟の各1部屋でも検出された。
 調査の範囲を広げたところ、今年1月に1、4、6の各棟で基準値超のアスベストが含まれているとの結果が出た。市によると、住民から健康への影響について心配する声が数件寄せられているが、飛散の恐れが少ない資材のため現時点で健康被害は確認されていない。
 今後、除去に向けた対応やスケジュールの調整を進める一方、作業期間中の住民の移転先の確保が課題となっている。(社会部・玉城日向子)
那覇市にある小禄市営住宅、新たに3棟で基準値超えるアスベスト...の画像はこちら >>
編集部おすすめ