[なくせ特殊詐欺]
 沖縄県内で特殊詐欺の被害が相次ぐ中、県内の警察署が被害防止に向けた取り組みを進めている。コンビニエンスストアのギフトカード売り場に注意喚起の紙を置いたり、パトカーに「ストップ特殊サギ」のマグネットシートを貼り付けたり。
各署は県民の関心を高め、被害防止に役立てたい考えだ。(社会部・豊島鉄博)
 県警によると、昨年の特殊詐欺の被害認知件数は171件、被害総額は2億1406万円(いずれも暫定値)でともに過去最悪だった。
 嘉手納署は昨年5月から、「サギカモ?」と記されたTシャツやステッカーを署員有志で制作した。
 考案したのは生活安全課生活安全係長の玻座真哲(さとし)警部補(51)。2023年から同署で勤務し、地域住民向けに防犯講話を開いているが、「『詐欺に注意』と話すだけではインパクトに弱いと思った」と語る。
 どうしたら相手によりインパクトを与えられるか。考えた末、「サギカモ?」のフレーズが浮かんだ。文字をできるだけ少なくすることで目に付きやすく、「?」を入れることで、おかしいと感じた場合は疑問を持つようになってほしい。そんな狙いがある。
 さらに、他県の事例も参考に、管内のセブン-イレブンのギフトカード売り場に「未納料金支払いカード」「コンピューターウイルス除去費用支払いカード」と書かれた紙も設置。レジまで持ってきてもらうよう促し、店員が詐欺だと分かって通報しやすくできるようにもした。
 「サギカモ?」Tシャツを着ていると、地域住民から声をかけられることも増えたという。
「『自分は大丈夫』と楽観視せず、少しでも意識を高めてもらえたらうれしい」
 沖縄署は「お金やカードの話はサギ」などと注意喚起するマグネットシートをパトカーに貼る取り組みを開始。16日にあったおきなわマラソンで、先頭ランナーを誘導する白バイにステッカーを貼り、初公開した。今後は日常のパトロールに使うパトカーで活用するという。
 県内の詐欺被害が止まらないことから、年明けから署員らで考案。同署の殿内孝志副署長は「目を引いてもらうことで、特殊詐欺の防止につなげたい」と話す。
「話すだけではインパクトが弱い」 特殊詐欺を防ごうと、沖縄の...の画像はこちら >>
「話すだけではインパクトが弱い」 特殊詐欺を防ごうと、沖縄の警察官有志が考えたあの手この手
沖縄署が制作し、パトカーに貼っている特殊詐欺防止などを呼びかけるシート=4日、沖縄市の同署
編集部おすすめ