不信任決議への賛成、反対討論が交互に行われる中、古謝市長は緊張した表情を崩さず、時折、肩で息をし、宙を見つめた。野党議員が「(与党議員が)判断に迷う理由は被害者の声を聞いていないから」と主張した時は、笑みを浮かべ、小さく何かをつぶやいた。
議長を含む議員19人が投票し、演壇で開票作業が始まると投票用紙を凝視。否決の宣告後は表情を変えずに議場を去った。
古謝市長のセクハラ疑惑を受けて設立された「ハートのまち南城 人権ファーストの会」の市民らは決議後、「与党は市長のハラスメントを否定する根拠を示していない」などと口々に不満を訴えた。
70代女性は「与党は被害者の声を聞かず、市長の言葉だけで被害者や第三者委員会を否定した。これでは職員が安心して働けない」と指摘した。
一方、市長を支持する「すばらしい南城市を支える市民の会」のメンバーは否決後、拍手で意思表示した。ある男性(71)は「旧4町村が合併した南城はみんなが親戚のようなもの。そこで頑張る市長を議員がちむぐくる(真心)で支えてくれた」と感謝。別の高齢男性も「古謝さんは南城の宝。敵が陥れようとしている」と語った。