25年度の要求から9億円、当初予算より187億円増えたものの、県が求めていた3千億円台は5年連続で割り込んだ。
県が使途を決められる自由度の高い「一括交付金」は778億円。25年度要求より5億円減、ピーク時の半分以下だ。
内閣府沖縄担当部局が要求に当たり、いの一番に掲げたのが「GW(ゲートウェイ)2050プロジェクツの早期実現に向けて、基地跡地の先行取得を推進」するというものである。
自治体の先行取得事業に68億円、計画策定支援に5億円などを盛り込んだ。
GW構想は、那覇空港から米軍普天間飛行場にかけての西海岸エリアを一体的に開発し、県経済の成長を目指すもの。経済界を中心に那覇、浦添、宜野湾の3市が連携して取り組む。
実現すれば21世紀の沖縄振興の最大事業となるだろう。
ただ気になる点も多い。
沖縄予算は沖縄振興計画に基づくものだが、GW構想は第6次振計(新・沖縄21世紀ビジョン基本計画)にはなく、県民の認知度も高くない。
広域的視点、総合調整が必要な事業にもかかわらず県の関与も見られない。
沖縄振興の柱とするからには、国・県・市町村・経済界が一体となり進めていく必要がある。県も汗をかき、まずはその体制をしっかりつくってもらいたい。
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沖縄予算全体や一括交付金が減額される中、逆の動きを見せるのが国の統制が強まると懸念されてきた「特定事業推進費」だ。
県を通さず国が直接、市町村に交付する推進費は26年度100億円を要求する。19年度に創設されて以降、ほぼ増額が続き、25年度当初は95億円だった。
このアンバランスは何なのか。
沖縄振興特別措置法は、「沖縄の自主性の尊重」をうたう。
しかし予算を見る限り、実際の運用面では、そうはなっていない。今回の概算要求の不自然さやいびつさも、来年の知事選をにらんだ駆け引きに見える。
沖縄関係予算は13~21年度は当初で3千億台を確保したが、22年度以降は2600億円台が続く。
辺野古新基地建設を巡る政府と県の対立が背景にあることは明らかだ。
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自民、公明の与党は衆参両院で過半数を割っている。予算案は野党の協力がなければ国会で成立しない。
GW構想一つをとっても県との協議や既存計画との整合性、県民の合意形成など聞きたい点は多い。
これまでのように自民党の沖縄振興調査会で方向性が決まるという枠組みも含め、国会で課題を洗い出すべきだ。
26年度は6次振計の5年目、前半最後の年となる。
従来の手法を踏襲するだけでなく、今の政治状況にふさわしいオープンで公平な議論を求めたい。