沖縄県国頭村奥で無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願う伝統行事「大(ウフ)シヌグ」が13~15日、6年ぶりに開かれ、敬老の日の15日には集落の最長老をおけに乗せて地域を練り歩く「ビーンクイクイ」があった。
同地域は2年に1度、旧盆後の最初の亥(い)の日から3日間かけてシヌグをするが、新型コロナウイルス禍や天候不良で2020年から実施できていなかった。
長老役は玉城壮(つよし)さん(83)が務め、地域の若者たちがおけに座る玉城さんを担いで集落を歩いた。一行は列をつくり空手や棒術、二人一組で酒つぼを持つ人らを先頭に、リズム良く「ビーンクイクイ」「ヨイヤサー」と声を上げ地域の繁栄を願った。
全校生徒7人の奥小学校に通う5年の大岩珠音(みおん)さん(11)は長老を出迎える際に女性たちが担う「ウシデーク」を踊った。「ビーンクイクイの迫力はすごかった」と目を輝かせた。
同区の木下義宣(よしのぶ)区長(73)は6年ぶりの開催に胸をなで下ろし、「集落がこれからもっともっと発展して、長老を務めた玉城さんのようにみんなが長生きしてほしい」と話した。(北部報道部・松田駿太、金城勲通信員)