うるま市の和宇慶三枝さん(63)、比嘉順子さん(62)姉妹の米国人の父親がこのほど沖縄を訪れ、姉妹の家族らと交流した。父親は沖縄に滞在経験のある元米兵。
父親とは幼少期に生き別れて身元が50年以上も分からなかったがDNA鑑定で居所が判明し、4年前に米国で再会していた。姉妹は85歳の高齢の父親と「沖縄で会えるなんて」と喜んだ。
 父親はレイモンド・ミケイフレイさん。本紙は昨年9月30日付の連載「父を知りたくて 米兵と生き別れた子たち」で、親子の再会を掲載した。
 ミケイフレイさんは三枝さんにはメアリー、順子さんにはジュリーとそれぞれ自身の姉の名前を付けていた。沖縄駐留を終えて米国に戻る際、「家族で行こう」と姉妹の母親に伝えたが周囲の反対もあり連れて行けなかったという。
 姉妹が3年前に米国へ行った際、ミケイフレイさんは自宅でも壁を伝って歩くなど体調は思わしくなかったが、沖縄を訪れるために懸命にリハビリに取り組み、息子と孫の3人で来沖し、4月24日~5月2日まで滞在した。三枝さんや順子さんの家族ら約30人が那覇空港で出迎え、ミケイフレイさんは「孫やひ孫も来てくれてうれしかった」とほほ笑んだ。
 姉妹の母親の墓にも行き、花を手向けて「つらい思いをさせたね。やっと会えたね」と涙を流した。滞在中には順子さんの娘の結婚式にも参加。ミケイフレイさんを捜した、DNA鑑定を使って身元特定を支援する県内在住の米退役軍人の男性とその妻とも面会した。

 ミケイフレイさんは米国に戻ってからも姉妹のことを捜したこともあり「忘れることはなかった」といい、沖縄に来て姉妹が「たくさんのファミリーをつくっていてさらに幸せな気持ちになった」と喜んだ。
 姉妹が「本当に幸せ。時が止まればいいのに」と語ると、ミケイフレイさんは「かばんに入れて米国へ連れて帰りたい」と別れを惜しみ、「また来年も来るよ」と再会を誓った。
(読者局・伊集竜太郎)
DNA鑑定で探し当てた父 米国から沖縄訪問「かばんに入れて帰...の画像はこちら >>
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