4日に行われた自民党総裁選で高市早苗氏が選ばれました。10日に公明党が連立政権からの離脱を表明し、今後の政治情勢は不透明になりましたが、高市氏が国会の首班指名選挙で選ばれれば、女性初の首相となります。
共同通信が4~6日に実施した緊急世論調査によると、女性首相の誕生は「望ましい」が「どちらかといえば」を合わせて86.5%に上りました。しかし、女性の受け止めは一様ではありません。

 

高市総裁誕生 女性の受け止めは
 私の友人の女性(45)に感想を聞いてみたところ、「共感できない」との返事が返ってきました。「ワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて働いて働いてまいります」という総裁選出後の高市氏の発言が、結果として女性の役職登用にマイナスに働くのではないかと懸念しているからです。
 同僚が職場に残る中で先に帰宅する時は、いつも後ろめたい気持ちになる。ベテラン社員として仕事で責任を果たしたい一方で、思春期の子どもとゆっくり話す時間も欲しいー。仕事と家庭の両立に日々葛藤を抱えているだけに、高市氏の発言に戸惑いを覚えたと言います。
 彼女のように、高市氏のスタンスに複雑な思いを抱く女性も少なくありません。詳しくはこちらの記事から。

 友人の女性は、高市氏が「ガラスの天井」を破ったことを、ゴールではなく一里塚と考えています。「後に続く女性リーダーには、より多くの人々の日常に寄り添える人になってほしい」と願っています。

新政権は沖縄に逆風か
 高市新総裁は沖縄北方担当相を務めた経歴はあるものの、沖縄通との印象は薄いようです。総裁選の党員投票で小泉進次郎氏がトップだった県内では、自民党議員が「沖縄は冷遇されるのでは」と警戒感を強めています。山城響記者と新垣卓也記者が、同党や防衛省関係者の「本音」を探りました。

南城市長が「大義なき解散」
 高市氏が総裁の座を射止めた背景には、選挙戦最終盤での麻生太郎元首相による派閥内への「号令」があったとされます。同派は「論功行賞」で幹事長ポストを獲得。「解党的出直し」を目指したはずの自民党ですが、依然として派閥の力学が大きく影響する現実に、旧来の政治手法を指摘する声も上がっています。
 国政でこうしたリーダーの選出過程が注目される一方、沖縄に目を向けると、南城市では首長の権力行使のあり方が厳しく問われています。職員へのセクハラ問題を巡って市議会から不信任を突きつけられた古謝景春市長は6日、「大義なき市議会解散」に踏み切りました。市長の姿勢には、説明責任を軽視しているとの厳しい見方が出ています。動画や写真を多数交え、解散の緊迫した1日を追ったドキュメント記事は、多くのウェブ読者に読まれました。
 市議選の投開票日は11月9日。選挙費用は少なくとも2千万円で、年間の市の子どもの貧困対策費に匹敵します。
新崎哲史記者は解説記事で「混乱を長引かせ、被害者を苦しめる。市政の私物化に他ならない」と断じています。

新人擁立に動く市長 今後どうなる?
 古謝市長は説明責任を果たさないまま、市議選で自身を擁護する新人の擁立を進めています。選挙後の市議会で再び不信任案が出た場合、擁護派が少なければ自身が失職に追い込まれる恐れがあるからです。平島夏実記者と又吉俊充記者が、水面下での市長の動きや市議の反応を深掘りしました。

 市議選後の新たな議会で再び不信任決議案が出されるのは確実です。果たして可決されるのかー。カギを握る市長擁護派の人数を巡る記事も、多くの関心を集めました。
500年続く伝統行事に新風
 10月に入って今年初の猛暑日を観測するなど、厳しい暑さが続く沖縄ですが、湿度が下がって朝晩は若干涼しくなってきました。あす12日に行われる秋の風物詩「那覇大綱挽」は、ギネスブックが認めた世界一の大綱を引き合う一大イベントです。そこでもう一つ「女性初」の話題を。

 500年余り続く伝統行事にも、新しい風が吹き始めました。
30万人近くが重さ32トンの大綱を引き合う熱気が楽しみです。気になる週末の天気は崎濱綾子さんの「うちなぁ季節めぐり」で詳しくチェックを! 今週のデジ編チョイスは新里健が担当しました。
自民党総裁選と南城市議会解散 問われるリーダーシップのあり方...の画像はこちら >>
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