旧盆後の旧暦8月9日に当たる9月30日ごろから4日間、沖縄県名護市数久田区の家々では、屋敷を魔物から守る「シバサシ」(柴差し)が見られた。かつては県内各地で行われていた風習だが、現在では少なくなっている。

 シバサシはススキの葉の先を結んだ「サン」や「ゲーン」と呼ば れる魔よけを家や庭の四隅に差す風習。同区では30日、わらを編んだ「ヒジャイナー」にサンを差し、家の門に張り巡らせた。
 同区の通称「轟線」通りの比嘉信勝さん(53)は、比嘉家に代々伝わる話として安政時代の1870年にはシバサシを行っていたと説明。「約320戸全戸でシバサシがあり、集落挙げて魔物から守っている。10月3日には取り外す。この間に数久田の豊年祭が無事終わる」と話した。(玉城学通信員)
魔よけを庭の四隅に差して家を守る 沖縄・名護市で集落挙げて「...の画像はこちら >>
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