公用車内で当時運転手だった女性にわいせつ行為をしたとして、沖縄県警が強制わいせつ容疑で書類送検し、嫌疑不十分で不起訴となった南城市の古謝景春市長(70)について、那覇検察審査会が「不起訴不当」と議決したことが28日までに分かった。議決は24日付。
那覇地検が再捜査し、改めて起訴するかどうか判断する。

沖縄県南城市の古謝景春市長

 那覇検察審査会は不起訴不当の判断について「(不起訴は)一般市民の感覚からすると到底納得のいくものではない」と指摘。元運転手の供述は具体的で一貫性があり「信用性が高い」と認めた。
 一方で古謝市長が「裁判するなら昔の事実も全部公表します」と元運転手にメッセージを送信したことは「強制わいせつ行為の口止めと評価できると思われる」としている。
 議決を受けて地検が再捜査し、起訴した場合は通常と同じ刑事裁判に移り、再び不起訴となれば刑事手続きは終了する。

 

 強制わいせつ容疑は2022年12月9日夜、忘年会帰りの公用車内で、運転席の女性に対し後部座席にいた古謝市長が背後から手を伸ばし胸をつかんだというもの。
 被害相談を受けた県警は2024年11月、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて書類送検したが、被害証言を補強する証拠の乏しさなどを理由に那覇地検は今年2月に不起訴とした。
  検察官の不起訴処分が妥当か審査する検察審査会は、選挙権を持つ一般市民11人で構成される。議決は「起訴相当」「不起訴不当」「不起訴相当」の3パターンで、審査員11人のうち8人以上が起訴すべき事案と判断すれば「起訴相当」、6人以上が不起訴は納得できず再捜査が必要と議決すれば「不起訴不当」、6人以上が不起訴は妥当とすれば「不起訴相当」となる。
 「起訴相当」で検察が再び不起訴とした場合、審査員8人以上が起訴すべきと再度判断すれば強制的に起訴される。
■古謝市長がコメント発表
 古謝景春市長は28日、元専属運転手女性に対する強制わいせつ容疑を巡る検察審査会の判断について「検察庁の下した不起訴処分を支持するとともに、検察審査会の議決した内容を精査し弁護士と対応を進めていく」とコメントを発表した。

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沖縄・南城市長の「不起訴は不当」 元運転手へのわいせつ容疑で検審「市民感覚からすると納得いかず」
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