イベントは「沖縄そば史ゆんたく講座」と名付けられた。「さんぺいの沖縄そばの歩きかた」の著者で、交流サイト(SNS)やブログで沖縄そばの魅力を発信する、さんぺいさんとボーダインク社編集者の新城和博さんが対談し、沖縄そばの歴史や特徴を語り合った。
沖縄製麺協同組合は沖縄そばの定義を県内で製造され、ゆで麺で、油処理してあることなどとしている。沖縄そばは琉球王朝時代から続くが、さんぺいさんによると、現在の形は明治後期に確立した。
ただ、2000年代以降には定義から外れた生麺が誕生した他、それまで多かった豚骨とかつおだしを合わせたスープではなく、貝だしスープを使った「進化形」が増えている。さんぺいさんは「沖縄そばって、そもそも何なのか」を考えようと今回のイベントを企画した。
イベントでさんぺいさんは、1970年代以降にソーキそばが広がり定着した歴史に触れ「沖縄そばは伝統的な食べ物のようで、ずっと同じ形態ではなく、新しいことをやってはいけないとも言えない」と話した。
その上で、県外・海外へ沖縄そばの魅力を発信するために「麺だけではなく、スープについても定義を明確化すべき時期に来ているのではないか」と提起した。「ボーダーレスになり、ラーメンに埋没する危険性があり、沖縄そばをラーメンと言われたときに反論できなくなるのではないか」と懸念を語った。
会場からも、多様な意見が出た。沖縄そば店店主の男性は「ルールではなく、店のこだわりと消費者の好みが合えばよいのではないか」と主張。東京都から来た沖縄そば好きの男子大学生は「『麺が小麦粉』はブレてはいけない思う」と話した。
新城さんは「歴史を見ると沖縄そばはアレンジがずっと加えられてきている。食べる側が受け入れれば、沖縄そばと認めていいのではないか」と述べた。

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