かつて琉球王府が置かれ、沖縄の歴史・文化の象徴だった首里城(沖縄県那覇市)の火災から31日で6年になる。今年8月には正殿外観の復元が完了。
作業現場を覆っていた素屋根が撤去され、深みのある赤の外壁や約6万枚の瓦、正殿の守り神「龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり)」や鬼瓦もお目見えした。琉球の政治や外交、文化の中心だった往時の威容や色彩を取り戻しつつある。

素屋根が外され、姿を現した首里城正殿=10月27日、那覇市(田嶋正雄撮影)

 首里城正殿は2019年の火災後、設計や材料の調査、調達を経て2022年11月に本体工事が始まった。正殿本体は今年8月に外観の復元が完了し、工事現場を覆っていた素屋根は10月末までに完全に撤去。火災から6年、正殿の全貌が現れた。

 素屋根の撤去と並行して、10月中旬からは正殿の左右に伸びる「西之廊下」と「南之廊下」の復元に着手。柱など主要な部分はひのき造りで、正殿本体と同様に今回の復元で新たに使用する天然由来の顔料「久志間切弁柄(くしまぎりべんがら)」を塗装で使用する。
 正殿本体内部でも復元作業が進められ、2026年秋の完了を目指す。現時点で正殿内2階の玉座である御差床(うさすか)などの工事が完了し、塗装作業が始まっている。

復元作業のイメージ

 正殿、廊下が完成する2026年秋以降は、御庭を取り囲む北殿・南殿の復元が予定されている。
 琉球王朝時代の北殿は王府の行政施設として役人が働く場所として使われ、中国の冊封の接待にも使用。ペリー提督の歓迎の宴も行われた。

 南殿は日本的な儀式や薩摩藩の接待所として使用された。塗装された記録がないため平成の復元では着色していない。火災発生までは正殿の入り口となり、琉球王国に関する美術・工芸品の展示スペースとなっていた。(銘苅一哲)

 
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