北海道で建設業を展開する岸本組(岸本友宏代表)は10月28日、沖縄県石垣市美崎町で創業38年の日本そば店「ひらのや」(平野恵子代表)と事業承継契約を結んだ。同店は条件面などで事業承継先とのミスマッチが続き一時は廃業の可能性もあったが、老舗の味を守り、発展させる岸本組の経営戦略などを評価した。
店舗内を改装し、年内に営業を再開する。(八重山支局・砂川孫優)
 ひらのやは独自にそば粉から製麺する日本そばが地元や観光客から人気を集めていた。店主の平野富佐夫さん(78)が高齢に伴い後継者を探していたが、売却額などを含む条件面で他社と折り合わず、事業承継が難航していた。
 マッチングは県事業承継・引継ぎ支援センターから委託された「つなぐビジョン」が仲介して実現。岸本組は店名を変更せず、従業員7人を継続雇用するほか、38年間築いたブランドを引き継ぐ。今後は北海道産のそば粉を使った新商品の開発などで事業拡大する。市内で仕込み代行を展開する「Eternity Foods」(服部大勇代表)がレシピを受け継いで老舗の味を再現する。
 岸本組は石垣市のレンタカー会社や沖縄市の飲食店など県内外で7社の事業を承継し、運営している。
 岸本代表は「ひらのやブランドを残し、新しい店舗運営を目指す」と語った。
 富佐夫さんは「廃業は避けたかったので感謝の気持ちしかない。市民の皆さんには今後も応援してほしい」とエールを送った。
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沖縄・石垣島の日本そば店「ひらのや」 北海道の企業が事業承継 老舗の味を守り年内再開へ
日本そば店「ひらのや」=10月28日、石垣市美崎町
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