北谷浄水場における有機フッ素化合物(PFAS)対策を巡り国に支援を求める意見書の文案を、野党の自民会派が沖縄防衛局に提示し、文言調整していたことが分かった。
文案は、浄水場の高機能活性炭の更新に防衛省の補助事業が使えなくなったとし、政府の支援を求める内容。宛先は内閣総理大臣、防衛大臣、外務大臣らとなっている。
自民会派が防衛局に示した文案には「政府全体で必要な支援を行うこと。国が支援すること」とあった。
受け取った防衛局は「国が支援すること」に取り消し線を引き、返信している。重複していたからだという。
さらに文案にある「県民の負担が増大することは必至」の部分にも取り消し線が引かれている。
自民党県連は「実現可能な要請にするため、手順の一つとして調整した」と事前共有を認めた。その上で「本質的な内容の変更はない」と説明する。
防衛局側も「内容について意見を申し上げたものではない」とコメントしている。
県民の代表機関としての議会の役割は「行政のチェック」であり、「住民の立場に立った政策の推進」だ。
事前共有は、どこを向いて仕事をしているのか分からない、「なれ合い政治」を映し出している。
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以前、国会で官僚に質問を作らせる議員が問題になったことがある。
今回は、個人の質問でもなく、県民意思を示す意見書だ。それを要請する相手にあらかじめ見せて意見を求めるとは、何とも情けない。
形式上の確認なら、県議会事務局に問い合わせればいい。必要があれば、事務局が国に確認を取る。それが手順である。
当初、県議会はPFAS対策の意見書案を、9月定例会提出で準備を進めていた。
しかしPFAS汚染を「米軍基地由来の蓋然(がいぜん)性が指摘されている」とする文言に自民会派が反発。
その部分は「県の調査によると基地周辺の数値が非常に高いが、現時点では明確な特定には至っていない」に変えられた経緯がある。
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北谷浄水場の水源となる中部の河川や井戸からは、PFASが高濃度で検出されている。県の周辺環境調査などから汚染源は米軍基地の蓋然性が高い。
にもかかわらず活性炭の更新に国の補助事業が適用されず、県民負担が増大しようとしている。
米軍由来と書けないのであれば、早急に基地内立ち入りができるよう調査を求めるのが、県議会の役割である。
意思決定機関として住民の声を聞き、住民の立場でものを言う。国の調整役になっているようでは、本来の役割は果たせない。

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