性感染症の検査機会を拡充しようと、沖縄県が世界エイズデーの12月1日から、HIVと梅毒の郵送検査を実施する方向で調整している。対象は那覇市民を除く県民で、検査数は100件を見込む。
検査費は無料だが、検査キットの郵送代(550円を予定)は自己負担。匿名で受検できる。
 県によると、那覇市保健所にも郵送検査を打診したが調整が付かなかったという。市保健所の担当者は取材に「急な呼びかけで時間的に間に合わないと判断した。次年度には実施したい」と説明した。那覇市民は保健所での通常の検査はこれまで通り受けられる。
 郵送検査の希望者は専用ウェブサイトへ申し込む。自宅などに届いた検査キットに微量の血液を採取し、委託会社へ返送。結果はウェブサイトで確認できる。ただ、「プレ検査」の位置付けのため、陽性または判定不能の場合は保健所での再検査が必要となる。
 県によると、2025年のHIV感染者とエイズ患者の県内報告数は10月26日時点で8人。うち、エイズ発症後にHIVに感染したことが判明する「いきなりエイズ」は6人(75%)で、全国平均の約30%を大きく上回る。
梅毒の報告者数は94人だった。
 郵送検査を巡っては厚労省が今年6月に導入に向けた手引きを示していた他、10月下旬に琉球大学の山本和子教授らが県に要望していた。(社会部・下里潤)
「いきなりエイズ」の割合が高い沖縄 HIVと梅毒の郵送検査へ...の画像はこちら >>
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