沖縄県南城市の古謝景春市長による市職員へのセクハラ問題で、南城市議会が17日の臨時会で可決した「被害者へのあらゆる誹謗(ひぼう)中傷・脅迫行為を糾弾し、一刻も早い被害者救済に取り組むための決議」は次の通り。
 令和4(2022)年12月、市長車元運転手女性が「市長車内で市長に胸をつかまれた」と市幹部たちへ申告・相談してから既に3年近くが経過した。
それから1年後、新聞報道により市長によるセクハラ疑惑が公となって以降、南城市が陥った混乱の深刻さは、市長に対する5度に及ぶ不信任決議や議会解散という前代未聞の状況を招いた事に象徴される。
 この2年近くの間、市執行部は「セクハラをやっていない」という市長に追従し、議会も迷走、〝被害者の存在〟を認めようとしない不作為な状況が長きにおよんだ。本来なら最も優先されるはずの被害者救済を今なお放置し続けてきた結果、被害者たちが職を奪われる事態になったり、ネット上での執拗(しつよう)な誹謗中傷や脅迫行為などを受ける二次被害に苦しめられ、心身の孤立・疲弊・消耗を繰り返し強いられている。
 改めて言うまでもなく、議会の大きな役目は権力の監視であり、その権力下に置かれた者たちの声なき声に耳を傾け、寄り添い、改善・解決に向け力を尽くすことにある。今この現状を見れば、議会のとるべき行動は、即刻、被害者を守るための行動を起こし、議会の責任として被害者救済と市政混乱収束へ向け一丸となって取り組むことである。
 本市議会は、言論および政治活動の自由を守り脅迫に屈しないという姿勢を貫くのと同じく、今回の一連の問題から派生し続ける被害者への卑劣な誹謗中傷や脅迫行為を断固糾弾する。
 また、市執行部に対しては一刻も早い被害者の保護・救済を強く求めるとともに、本市議会もこれらの防止・支援に関する支援策や条例制定など、被害者救済への道筋をつけるための行動を早急に始めるものである。
 以上、決議する。
   2025年11月17日
    沖縄県南城市議会
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