歯周病は肺炎・血管系・糖尿病にも悪影響　口内にとどまらない細菌の関係　歯科医が解説
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［県歯科医師会コラム・歯の長寿学］（３６６）
　１１月は「歯がんじゅう月間」です。皆さんは歯周病がどのような病気かご存じでしょうか。

　歯周病は、口の中にいる細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯と歯茎の境目（歯肉溝）の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯茎の周りが炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが痛みはほとんどの場合ありません。さらに進行すると膿（うみ）が出たり、歯を支えている骨が溶けてしまったり、歯が動揺してきて最終的には歯を抜くことになってしまいます。
　また最近では歯周病は単に口の中だけではなく、全身の病気に影響を及ぼすことが分かってきました。ここでは三つの疾患「誤嚥（ごえん）性肺炎」「血管系の病気」「糖尿病」について話します。
　誤嚥性肺炎は高齢者に多いといわれます。高齢者は食べ物を飲み込む力が弱くなっているので、間違って食べ物が気管に入り込む場合が多くなります。その時に口の中の細菌が多いと、肺炎を起こす可能性が高くなります。また血管系の病気でも口の中の細菌が血管に入り込み、血管や心臓の病気を引き起こす原因の一つになっています。加えて、血管に入り込んだ細菌が糖をコントロールする働きを阻害し、糖尿病に関与するといわれています。
　通常痛みを伴わないので気付きにくい歯周病ですが、分かりやすい症状としてブラッシング時に出血する、口の中がねばねばする、朝起きると口臭が気になる、疲れた時に歯茎の違和感（痛み）などがあります。このような症状がある方はぜひ、かかかりつけの歯科医院に相談をお勧めします。
歯周病の原因になる口の中の細菌を減らすには、正しいブラッシングと歯科医院での定期的な口腔（こうくう）内清掃が必要です。
　宮古地区歯科医師会では沖縄県が推進している「生涯にわたり自分の歯で食べる楽しみを味わい、健やかで豊かな人生を送る」を推奨しています。（波平真樹、下地中央歯科医院＝宮古島市）
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