名護市辺野古の新基地建設を巡り沖縄防衛局は、大浦湾側で埋め立て土砂の投入を始めた。
ここに至る経過を振り返っておこう。
国は大浦湾側の軟弱地盤改良のため、県に設計変更を申請したが、玉城デニー知事は承認しなかった。
このため、国は2023年12月、これまで全国どの地域でも実施したことのない「代執行」に踏み切った。県に代わって、国が自ら承認手続きを行ったのである。
翌24年1月から大浦湾側で海上ヤード工事に着手、8月から護岸工事を始め、今年1月には軟弱地盤改良のため、砂くいを打ち込む作業が始まった。
今回、埋め立て用土砂が投入されたのは、地盤改良の必要がない辺野古崎に近い海域。大浦湾側への埋め立て用土砂の本格投入は初めてとなる。
米軍キャンプ・シュワブ南側の辺野古側(約41ヘクタール)は、埋め立て工事がほぼ完了している。
大浦湾側の埋め立て予定面積は約111ヘクタール。地盤改良を含む工事完了は33年4月ごろとするが、現在、天候の影響などで改良工事は半年近く中断しており、いつ完成するのか見通せない。
立ち止まって中間的な検証を行うべきだ。
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防衛省は19年、辺野古の総事業費を9300億円、工期を9年3カ月とする試算を公表した。
今年2月の衆院予算委員会で中谷元防衛相(当時)は「今後、検討によって変更があり得る」と答弁している。
総事業費の約7割が24年度までに支出済みである。最終的に総事業費は1兆円規模に膨らむ可能性が高い。
完成時期についても現時点では「お答えできない」と防衛相は言う。
安全保障環境も政治状況も、日米が「移設条件付き返還」に合意した時点とは著しく変化している。
大浦湾の豊かな海の自然を破壊するだけでなく、米軍の中にも、時代にそぐわない「最悪のシナリオ」だとの否定的意見が目立つ。
米海兵隊が打ち出した「遠征前方基地作戦(EABO)」という作戦構想とも合致していないからだ。
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辺野古移設を最も強引に押し進めてきたのは安倍政権である。
「辺野古が唯一の選択肢」という言葉をひたすら発信し続け、しゃにむに工事を進める一方、新基地建設に反対する翁長雄志前知事や玉城知事に対しては予算面で締め付ける「差別的政策」を続けてきた。
そもそもの問題は、基地の負担軽減を目的にした政策であるはずなのに、県内移設を前提にしていることだ。
普天間飛行場の一日も早い返還を実現する近道は、県内移設の前提そのものを見直すことだ。

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