「高市人気」に支えられた自民党候補が全ての選挙区を制した。1996年の小選挙区制導入以降、自民が全勝するのは初めてだ。
「オール沖縄」勢力は陣営内部に生じたきしみと新党結成を巡る混乱が最後まで尾を引いた。
 沖縄選挙区は、いずれも自民前職の1区国場幸之助氏、2区宮崎政久氏、3区島尻安伊子氏、4区西銘恒三郎氏が当選した。
 4氏には「県民益」を大切に課題解決に取り組んでほしい。
 今回の選挙は、「オール沖縄対自公」という対決の構図が完全に崩れた選挙でもあった。
 自公連立政権から抜けた公明党と立憲民主党が衆院選公示の直前、中道改革連合を結成したことは、沖縄に重大な影響を与えた。
 辺野古新基地建設を巡って立民の幹事長は公示前、「ストップするのは現実的でない」と発言。抗議を受けて、新基地建設への立場は「まだ整理できていない」と修正したものの、「オール沖縄」支持層に生じた疑念は解けなかった。
 2区、3区の中道前職は「辺野古反対の姿勢はいささかもぶれていない」と最後まで防戦を強いられた。
 1区は「オール沖縄」が推す共産が議席を維持してきた選挙区で、支持者からは2区と並んで「平和の一議席」と呼ばれてきた。その2議席をいっぺんに失った痛手は大きい。
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 中道結成で期待されたのは「1+1」が「2もしくはそれ以上」になるという足し算だった。
 創価学会という強固な組織を持つ公明票がそっくり「オール沖縄」側に回れば、計算上、確かに中道候補が圧倒的に有利になる。

 だが、組む相手を急に代えるのは容易でない。現場からは戸惑いの声が頻繁に聞こえてきた。
 「オール沖縄」は翁長雄志知事が誕生した2014年、保革を超えた新たな政治勢力として結成された。その年の12月に行われた衆院選では4選挙区で勝利し、沖縄の共闘方式が全国から注目された。
 自民党が今度の選挙で四つの選挙区の完全逆転を実現したことで、県知事選への影響は避けられない。
 そのとき、公明党県本はどちらの側に付くのか。中道は衆院選全体の結果をどのように総括するのか。
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 「計略的な奇襲」-高市早苗首相が試みた大義なき解散の実態だった。なぜ今かを疑問視する声が多かった。だが、それを上回る「高市人気」が日本中を覆い尽くした。ネット上では、まるで人気投票のような空気が広がった。
 衆院選は自民と日本維新の会の与党が3分の2(310)を超える議席を確保した。

 首相は「国論を二分する政策」実現のため解散すると言いながら、肝心の政策はほとんど語っていない。
 自民党の大勝は、決して首相への白紙委任ではないことを強調しておきたい。
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