環境省沖縄奄美自然環境事務所は12日、豊見城市の漫湖水鳥・湿地センターで記者会見し、那覇港湾施設(那覇軍港)などで定着が確認されていた特定外来生物「ハヤトゲフシアリ」の根絶を宣言した。いったん定着した侵略的な外来種の根絶は非常にまれで、ハヤトゲフシアリの根絶は国内初という。

 ハヤトゲフシアリは、2020年に那覇軍港や軍港沿いの国道331号、那覇新港で定着が確認され、沖縄科学技術大学院大学(OIST)や琉球大を含めた産学官と在沖米陸軍が連携して防除に当たった。全対象地点で2年間未発見の状態が続いたため、根絶を宣言した。
 会見では今回採用した「選択的防除」について説明があった。殺虫剤の広域散布を行わず、ハヤトゲフシアリが好む成分を配合した毒餌(ベイト剤)を開発しハヤトゲフシアリだけを弱体化させたことで、在来のアリが新たな侵入を防ぐバリアーになったという。全期間を通じた薬剤使用量は1ミリグラム未満と環境への負荷も抑えた。
 中心的に防除に当たった琉球ネイチャーポジティブの吉村正志代表は行政区や米軍基地という壁を越えた連携が外来種を根絶に導いた意義を強調。「今回の選択的防除は今後、他地域で防除を行う際の選択肢の一つになると思う」と述べた。
 南ヨーロッパ原産のハヤトゲフシアリは国内では17年に名古屋市で定着が初めて確認された。県内の侵入経路は不明。人を直接刺すなどの恐れはないが、侵略性が高いとされる。(社会部・塩入雄一郎)
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沖縄で特定外来生物の根絶宣言 那覇軍港に定着していたハヤトゲフシアリ 成功に導いた「選択的防除」の手法とは
ハヤトゲフシアリの根絶宣言をする環境省沖縄奄美自然環境事務所の大林圭司所長=12日、豊見城市の漫湖水鳥・湿地センター
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