米国とイスラエルによる国際法を無視したイラン攻撃は、ついに沖縄の米軍まで投入する泥沼の状態になってきた。
 複数の米メディアによると、米軍は佐世保基地(長崎県)配備の強襲揚陸艦トリポリと、沖縄に駐留する海兵隊の第31海兵遠征部隊(31MEU)を中東に派遣した。

 トリポリと31MEUは、今月初め、キャンプ・ハンセンなどで実施された自衛隊との共同訓練「アイアン・フィスト26」に参加したばかり。
 31MEUは民間人救出作戦や災害救援など幅広い任務に対応する即応部隊である。
 トランプ米大統領は13日、ペルシャ湾にあるカーグ島の「軍事目標」を攻撃し、「完全に破壊した」とSNSで発表しており、カーグ島攻撃と海兵隊増派は何らかの関係がありそうだ。
 イランの石油積み出し拠点になっているカーグ島は、イラン経済を支える生命線。イランが反発するのは確実だ。
 横須賀基地(神奈川県)を母港とする米海軍のイージス艦ミリアスが、うるま市のホワイトビーチに寄港した後、中東に移動し、巡航ミサイル「トマホーク」を発射していたことも明らかになっている。
 米国のイラン攻撃は決して対岸の火事などではない。
 事前協議制度は機能せず、在沖米軍基地が出撃拠点として「自由使用」されているのである。
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 イラクのクウェート侵攻に端を発した1991年の湾岸戦争。米本土に対するテロ攻撃への報復として2001年に始まったアフガニスタン戦争。
 イラクの大量破壊兵器保有を理由にして03年、米軍主導の有志連合が軍事侵攻に踏み切ったイラク戦争。結局、大量破壊兵器は発見されなかった。

 米軍はいずれの戦争にも沖縄から投入されている。04年に起きたイラク・ファルージャでの掃討作戦に投入されたのは、31MEUである。
 そして、今回のイラン攻撃。2月28日には、イラン南部の小学校が攻撃され、160人以上の児童らが殺害された。米側の誤爆だったとの見方が濃厚となっている。
 日本の基地から出港した艦船が誤爆に関与した可能性があり、政府は真相究明を米側に求めるべきだ。
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 高市早苗首相は、イランが周辺国を攻撃していることを問題視し「イランの行動を非難」した。
 その一方で、米国やイスラエルがイラン攻撃を始めたことについては「法的評価は差し控える」との姿勢を崩していない。情けない対応だ。
 19日に予定されている日米首脳会談で、トランプ大統領のご機嫌取りに終始するだけでは、国際社会からの評価を落とすだけである。
 「法の支配」を前面に掲げ価値観外交を進めてきた日本にとって、主張の一貫性が問われる局面だ。
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