■『Yogibo presents RIZIN.46』(29日・有明アリーナ)
 第3試合のベアナックルルールで、J・マルチネスに1ラウンドKO勝利した篠塚辰樹が、試合後インタビューでこの試合の直前に亡くなった父親への思いを語った。

 素手にバンテージだけを巻いて殴り合う過激なルールの試合で、篠塚は自身のバックボーンであるボクシング技術の差を見せつけてパンチを繰り出し、圧をかけてロープ際に押し込んだところで、右フックを顔面にヒットさせると、マルティネスはダウン。立ち上がることができず篠塚が勝利して喜びを爆発させた。

 素手の殴り合いを終えた直後の心境を問われた篠塚は「とりあえず安心した」と安堵の表情に。初めてのルールを体験し「腕を殴られたパンチがめっちゃ痛かった。これもありだなって思いました」と、戦いながら冷静に相手の攻撃を分析していた。

 入場時には試合の直前に亡くなった父親の写真をセコンドが持って花道を一緒に歩き、退場時には自ら持って天高く掲げた。この試合が決まったときには「ケガするなよって言われて。チケットを用意して見に来てねって送ったんですけど、そこから返信がなかったんです」と明かした。

 もし父親が会場で見ていたら「絶対にめちゃくちゃ喜んで、明日には地元で言いまわってます」と笑顔を見せ、「たぶん今、親父はあっち(上を指さして)で自慢してるかな」と天国に向けて胸を張った。

 現在アイルランドで武者修行中の盟友・平本蓮もSNSですぐに祝福しており、7月の『超RIZIN.3』で揃い踏みするのも「アリですよね。みんな見たいならやりますよ」と意欲を見せる。この試合が決定後、SNSでベアナックル参戦を希望する格闘家が相次いでいたが「本当にできるのかなって。口やSNSでは簡単に言っても、本当に素手で殴れるのか」と覚悟の違いを強調した。